バッテリー交換しなきゃいけないけどメモリーが消えたら困るなあ
バックアップ電源っていうのが必要なのは知っているけど詳しくよくわからないなあ
バックアップ電源買おうと思ってるけどGSユアサのBK3000ってどうなんだろう
そんな方向けに、わたしが使用した「GSユアサのバックアップ電源 BK3000」についてご紹介します。
「あなたはバッテリー交換をしたことがありますか?」
バッテリー交換をしたことがある方もない方もバッテリー交換って何かと不安がつきものだと思います。
「ショートして火花が出たらどうしよう…」とか「間違ってメモリー消しちゃったらどうしよう…」とか、そもそも「やり方が全然わからないよ!」とか。
そんな不安を少しでも和らげるためには、バッテリー交換に使うものがどんなものか事前にわかっていると安心しますよね。
この記事は「GSユアサのバックアップ電源BK3000」について
- 「この製品ならではの特長」
- 「BK3000を実際使用した使い勝手」
- 「比較対象の商品がどんなものか」
をレビューしていきます。
このレビューを読むことでバッテリー交換の不安が解消し、購入を検討している方の助けになれれば幸いです。
この記事を読んでいただければ、GSユアサのバックアップ電源BK3000の使用イメージをつかんでもらえます。
「GSユアサ バックアップ電源 BK3000」ってどんな製品?
バックアップ電源とは
バックアップ電源とはバッテリー交換するときに、車のコンピュータ類への電力供給が断たれて車両の各機器のメモリーがリセットされないようにするための電源(代替バッテリー)です。
「GSユアサ バックアップ電源 BK3000」の特長
わたしの視点で選んだ他のバックアップ電源にはないこの製品の特長は次の3つです。
- 使用時、未使用時をスイッチで切り替えられる(スイッチOFF時は絶縁されるため安全)
- 製品自体に使用手順が図示されているため使用時に別の手順書を見なくてよい
- 内蔵バッテリーの充電量が減っていればランプによってひと目でわかる
【1】スイッチのON/OFF
スイッチのON/OFFによって使用しないときは導通しないように設計されています。
また、スイッチONでもバッテリーに取り付けるまでは電圧が発生しない設計となっており、プラスとマイナスのクリップを誤って接触させてもショートは発生しない安全面にとても配慮された製品です。
【2】本体に図示された使用手順
写真からもよく分かるように本体前面には使用手順が図で記載されています。
初心者の方や手順をしっかりと覚えていない方でも迷うことなく作業ができる配慮がなされています。
バッテリー交換は普通の人はたまにしかしない作業ですので、こういった配慮は地味にうれしい特長です。
【3】内蔵バッテリーの充電不足表示
内蔵バッテリーの充電量が減っていることを「要充電」のランプで知らせてくれます。
実際の作業中に上の写真のように要充電のランプがつきました。
どの程度の電圧になっているのか確認したところ「11.7V」程度でした。まだ完全放電には猶予がありますが、かなり電圧は下がっている状態です。
このランプが出たら「早めに作業を切り上げなければならないな!」という目安になったり、交換作業を始める前に表示されれば「このまま交換するのはまずい!」という注意喚起になるので、トラブルなく作業をすることができます。
「バックアップ電源BK3000」のカンタンな使い方
本体前面の使用手順を使ってカンタンな使い方を説明していきます。
車両をPOWER OFFして、電流が流れないようにします。(POWER OFF後もルームランプなどはしばらくつく場合があるのでOFFにしておきましょう)
本体内蔵のバッテリーの状態をチェックしましょう。充電状態に問題なければ使用可のランプが緑に光ります。
バッテリーターミナルにプラス(赤)→マイナス(黒)の順でクリップを接続します。
本体の出力スイッチを「ON」にします。ON側のランプが光ります。
接続OKランプが点灯するのを確認します。この時点でバッテリーからターミナルを外してもOKです。
バッテリーを交換します。ここの詳細は本体前面にはありませんので、他の画像で説明します。
バックアップ電源のクリップが外れないように注意して作業しましょう。
ここまでで交換は完了です。あとはバックアップ電源を安全に取り外します。
出力スイッチを「OFF」にします。
バッテリーターミナルからクリップを外します。
以上で作業完了です!
実際に使用したからわかる「バックアップ電源BK3000」のポイント
独自目線でBK3000の使い勝手のポイントについて評価しました。
※今回実際に使ってみましたが、バッテリー交換予定がなかったため交換作業までは実施せずターミナルを外すところまでの作業で使用感を確認しています。
ワニ口クリップのつかみ具合
バッテリーターミナルに直接接続するワニ口クリップがしっかり掴めていないと作業中にターミナルからクリップが外れて最悪メモリーがリセットしてしまいます。
ネットの口コミなどを見ていると同じワニ口クリップタイプの他の商品で「クリップが外れてメモリーがリセットした!」というカキコミも見かけました。
BK3000のワニ口ですが、ほどよい強さで掴んでいるという印象でした。
ほどよいというのはホールド力強めのブースターケーブルのワニ口クリップほどは強くないけど、ターミナルからカンタンに外れない強さを持っているという評価です。
ワニ口クリップのホールド力としては合格点という評価です。
プラスターミナルを入れる絶縁カバー
ただの布袋という印象で「コレでしっかり絶縁できるの!?」という感じもしました。
大きさについてはプラスターミナルを入れるのに十分かといわれると少し心もとない印象で、クリップとターミナルの掴んだ状態によってはうまく入れられなかったり、入れている最中にクリップが外れたりしないかは懸念点が残りました。
車体にターミナルが接触することをうまく避けて作業ができるのなら絶縁カバーに入れずに作業したほうがクリップが外れるリスクは少ないと感じました。
重さのフィーリング
1.5kgでした。
内蔵のバッテリーはVRLAなので、見た目よりも重くズシッとしていますが、片手で難なく持てる手軽な重さとサイズ感です。
取っ手もついているので持ち運びはしやすいです。
「要充電」表示のタイミング
このレビューを書くための作業中に「要充電」のランプが点灯して充電不足の警告がなされました。
「要充電の表示が出ているときの電圧はどのくらいなんだろう」と気になったので、その時の電圧を測ってみました。
結果はこちらです。
だいたいこのくらいの電圧になってくると要充電となるわけですね。
満充電の状態で12.8Vぐらいとするとかなり放電してしまっている状態です。
このくらいの電圧であればまだ交換可能ですが、車両の電気負荷の放電状態によってはこの後急激に電圧が下がることも考えられます。
この状態になった場合は一旦作業を止めて充電してから仕切り直すのがベターです。
全体的な使い勝手とコストパフォーマンス
BK3000の価格はAmazonや楽天で15,000~17,000円(2020年11月時点)となかなかいい値段です。
この値段に見合うコストパフォーマンスがあるかどうかを評価します。
- 良い点:安全設計、安定した電圧のVRLAバッテリーを内蔵している
- イマイチな点:バッテリーに直接接続して作業をするため作業がしにくい
良い点もありますが、イマイチな点もあるためコストパフォーマンスでいうと物足りないというのが正直な感想です。
このあと説明しますが、他にもメモリーバックアップの製品は様々あり、電池は別売りですが値段が手頃で作業性がいいものもあります。
少し値段は高いけれども安全性であったり別の電池を用意しなくていい「オールインワンのパッケージが自分に合った商品」だと思えればBK3000の購入をオススメします。
BK3000以外のバックアップ電源相当の製品(電源は別途用意するタイプ)
電源は乾電池でクリップタイプのメモリーバックアップ
「エーモン メモリーバックアップ EV車・HV車・アイドリングストップ車対応 (8864)」という商品です。
こちらは乾電池を直列に8個使って12V電源とし、BK3000同様、交換するバッテリーターミナルに直接クリップ接続するメモリーバックアップです。
クリップをターミナルに接続して使うので使い勝手はBK3000と同じですが、スイッチがなかったり乾電池であるため作業が長引いたときに電池容量が心もとないなどのデメリットがあります。
また、「ワニ口クリップの挟み込み力が弱く、バッテリー交換時にクリップが外れてメモリーバックアップに失敗してしまった」という口コミも見られ、値段が安いためかネガティブな特徴が浮き彫りになっていました。
それでも安価であるのは魅力なので、うまく使いこなせるという方にはオススメできます。
電源は乾電池でOBDⅡコネクタータイプのメモリーバックアップ
「カーメイト メモリーキーパー バッテリー交換 一家に一台あると便利 OBDIIコネクター給電仕様 SA202」という商品です。
こちらは交換するバッテリーのターミナルにクリップで接続するのではなくOBDⅡコネクターという車両の故障診断に使われるコネクターから電力をコンピュータ類のメモリーに供給するという方法でバックアップするものです。
電源は乾電池6個を使用します。6個なので9V程度となり、機器がリセットしない最低限の電圧を確保できるレベルの電圧で使用します。
OBDⅡコネクタを使用する製品の最大のメリットはバッテリ周りに余計なものを置かなくてよくなり作業性が格段によくなるということです。
バッテリーの周りは意外とスペースがなく取り外したケーブルが邪魔をして、バッテリーが引き抜きづらいなんてことがよくあります。
そんなときクリップが外れないか不安になりながら作業するのは危険がともないます。
バッテリーは車両によっては20kgを超す重量物であるため作業性をよくすることはとても重要です。
自分の車両のOBDⅡコネクタの位置が把握できているという方はこちらの商品を選ぶとバッテリー交換作業がしやすくなるためオススメです。
電源は予備バッテリーでOBDⅡコネクタータイプのメモリーバックアップ
「メモリセーブ AUTOOL BT-30 車 ECU緊急電源 バッテリークランプ OBD2アダプター」という商品です。
こちらもOBDⅡコネクターから電力を供給しますが、OBDⅡコネクターの反対側はクリップ接続で予備バッテリーを取り付ける必要があります。
予備バッテリーには使い古したけどまだ電圧が出ているバッテリーなどを使用します。当然新品バッテリーでもよいです。
予備バッテリーさえ準備できるのであれば使い勝手は前述した乾電池タイプとほぼ同じで、作業性がよいという特長があります。
家に予備のバッテリーを持っている方であれば、こちらの商品が適していてオススメできます。
電源は9V乾電池でシガーソケットタイプのメモリーバックアップ
「Garage.com 車のメモリーバックアップ用 12V仕様バッテリー交換 データセーブツール WHSDN047 [並行輸入品]」という商品です。
こちらはシガーソケットから給電するタイプになっています。
シガーソケットを使う場合は、車両のPOWERスイッチをACCの状態にして作業をします。
ACCにしなければならない理由は、回路がつながらずシガーソケットのところからECUの機器類に電力が供給できないためです。
ACCのときにはスイッチOFFの状態より電流が流れているのでより素早く作業する必要があります。
電源には以下の形状の9V乾電池を使用します。
バッテリーターミナルに直接接続するタイプではないため、作業性は良くなりますがACCの状態であることと、使用する電池が9Vの乾電池であることにより、作業は迅速に行わないと電圧が下がりすぎてメモリーリセットが起きてしまうリスクがあります。
そういったリスクをふまえた上で自分に合った商品だと思えれば使用してみるのもアリだと思います。
まとめ
GSユアサバックアップ電源BK3000についてレビューしました。
BK3000の「良い点」と「イマイチな点」をまとめます。
- 通電をスイッチ切り替えできる安全設計
- 製品自体に使用手順が図示されている
- 内蔵バッテリーの要充電レベルが確認できる
- VRLA鉛バッテリーが内蔵で別の電池を用意する必要がない
- 値段が高い
- ターミナルへ直接接続なのでバッテリー交換作業がしにくい
以上の評価となりました。
良い点とイマイチな点を見比べてバックアップ電源に対して何を求めるかをよく考えて購入することをオススメします。
この記事ではBK3000以外の製品についても紹介したのでそちらも考慮した上で購入を検討すると「間違いのない選択」ができると思います。
バックアップ電源を正しく活用してトラブルフリーでバッテリー交換作業ができるといいですね。
以上、ご参考にしていただけましたら幸いです。