車のバッテリー電圧は12Vっていうけど実際に測ってみるとなんか違うなあ?これって正常なのかよくわらない…。
といった疑問・お悩みはありませんか?
バッテリー電圧をよく知らなくても車を使うことはできますが、バッテリー電圧をよく知らないとバッテリー交換のタイミングを見誤ってしまい交換費用が増え、損してしまうかも。
できるだけバッテリーをおトクに交換したいものですよね。
私はバッテリー開発の経験があり、カーバッテリーの特性を熟知しています。
この記事ではバッテリー電圧の正しい知識を身につけるために重要なことだけを紹介します。
この記事を一読することで以下のメリットがえられます。
- 車のバッテリー電圧に対する正しい知識が身につく
- バッテリー電圧から正常、異常を判断できるようになる
- バッテリー電圧に異常があったときに適切な対処が取れる
- 電圧測定方法を覚えて自己点検ができるようになる
このようなメリットだけでなくこの記事の知識を応用すれば以下のメリットも!
- バッテリー交換の適切なタイミングがはかれるようになる
- 車の異常を察知して対処し、バッテリーの寿命が伸ばせる
- バッテリー交換費用の節減につながる
はじめに結論をいうと、以下の電圧目安が特に重要です。これだけでも覚えておけば正常かどうかを判断できます。
- 13.0V~:
充電直後の影響が残っている(正常) - 12.6~12.9V:
80%~100%の充電状態(正常) - 12.4~12.5V:
50%~70%の充電状態
(鉛バッテリーにとって充電不足) - ~12.3V:
深刻な充電不足 or 寿命が近い
これだけでも役に立ちますが、さらに詳しい内容を知りたい方は読み進めてください。
さっそく電圧をチェックしてみようという方にはコチラのような商品がおすすめです。
車のシガーソケットに挿すだけで電圧確認ができます。
正常なバッテリー電圧は12.6V~13V程度
12.6V~13V程度がカーバッテリーの正常な電圧です。
なぜなら自動車用の鉛バッテリーは満充電で12.8V程度になるように設計されているからです。
バッテリーの能力を最大限引き出せるのが満充電12.8Vなのです。
バッテリーの電圧は硫酸の濃度(比重)に比例して変化します。比重を最適に調整すると電圧は12.8V程度になります。
これはバッテリーの種類(AGM、アイドリングストップ車用など)で上下しますが、基本は12.8Vです。
つまりバッテリー電圧が12.8V付近であれば、満充電近くであるためバッテリーは正常です。
では、12.5V以下の電圧は異常なのでしょうか?
異常なバッテリー電圧は一概に決められない
「12.5V以下の電圧が異常なのか?」という問いへの答えは「YESでもありNOでもある」です。
異常なバッテリー電圧は一概に決めることはできません。
なぜならバッテリー電圧だけでは以下のどちらの状態かの判定が困難だからです。
- 充電不足になっているのか
- 寿命にともない異常になっているのか
充電不足で電圧が12.5V以下
まず12.4~12.5Vぐらいなら、ただ充電が不足しているだけと考えられます。
それ以下の場合でも、
- 長期間放置していた
- エンジンを掛けずにオーディオやナビを使用していた
などの理由で放電が進み充電不足になっているだけかも知れません。
よほど放電しすぎない限り充電すれば元の電圧に戻ります。
バッテリー寿命にともなう異常で電圧が低い
寿命が近いバッテリーは充電中は一時的に電圧が上昇しますが、充電を止めるとすぐに電圧が下がってしまいます。
その理由は、バッテリーの「サルフェーション劣化」か「セルショート」が考えられます。
このあたりの電圧低下原因については詳しく解説した記事がありますのでご参考ください。
>>バッテリーの電圧低下の原因は? 3つのよくある状況を使って解説
電圧がすぐ低下してしまうような状態は寿命間際であるため、今すぐバッテリー交換が必要です。
バッテリー電圧が低いのはどんな状態?原因は?
バッテリーが充電不足になるか、バッテリーの寿命が近づくとバッテリーの電圧は低下します。
他にも考えられる状態、原因があるので紹介します。
走行中に電圧が低くなる
走行中の場合は、基本的にバッテリーは充電されるので電圧は高くなりますが、アイドリングストップ付きの充電制御車の場合、一時的に電圧が低くなることがあります。
一時的な電圧低下の理由は充電制御によってオルタネーターの発電量を減らすことで、燃費向上を狙っているためです。
またアイドリングストップ中も充電が停止して、バッテリーから電力を供給するため一時的に電圧が低下します。
エンジンOFF時に電圧が低くなる
エンジンOFF状態でオーディオなどの機器を使用する(ブレーキ踏まずにスイッチON)と、バッテリーは数A(アンペア)以上で放電されます。
放電中のバッテリーは放電電流の大きさによって電圧の低下スピードが変わります。
以下は放電中の電圧変化イメージです。
このような電圧低下は放電中に起こる一時的なものなので、負荷がなくなると電圧は回復します。
しかし、放電しすぎると放電した容量の分だけ電圧は下がります。
エンジンOFF状態での機器の使いすぎには注意しましょう。
電圧低下についての詳しい解説は以下の記事をご参考ください。
>>バッテリーの電圧低下の原因は? 3つのよくある状況を使って解説
バッテリー電圧が高いのはどんな状態?原因は?
バッテリーの電圧が高い(14~15V程度)ときは充電中です。
自動車用の鉛バッテリーはなにもしていない状態では満充電で12.8V程度になります。
12.8V程度のバッテリーに対して、オルタネーターからの充電電圧「14~15V」が印加されて電圧が高い状態になります。
他に電圧が高い状態(13~14V程度)として考えられるのは、走行直後の状態です。
走行直後は充電のときの高い電圧状態がバッテリーに残っており、一時的にバッテリーの電圧が高くなっています。
時間が経つとバッテリーの充電量に見合った電圧に落ち着きます。
電圧が高いときのバッテリー状態については以下の記事もご参考ください。
>>あれっ?車のバッテリー電圧が14Vはどんな状態?正常?異常?
バッテリー電圧が低くなってしまったときの対処法
バッテリー電圧が低いときの対処法は以下の2つです。
- 車に長時間乗って走行
- 外部充電器で充電
結論をいえば、「充電をしっかりしましょう」ということです。
電圧低下の原因は基本充電不足なので「充電する」が対処になります。
車に長時間乗って走行
エンジンONの状態ではオルタネーターによる発電が行われ鉛バッテリーに充電されます。
ちなみにHVなどはメインバッテリーから12Vに降圧して補機バッテリーに充電されます。
クルマを使用する時間が長ければ長いほどバッテリーにはたくさん充電されます。
長距離ドライブするついでにバッテリー電圧を回復させましょう。
外部充電器で充電
確実にバッテリーを満充電させるなら外部充電器を使った方法がオススメです。
AC100Vの電源と専用充電器をつなぎ、バッテリーに直接ケーブルを接続して充電する方法です。
走行による充電だけだといくら長時間走行してもしっかりした満充電にならない可能性があります。
なぜなら車両の制御で燃費を向上させるために充電を抑制しているからです。
充電器による充電はたっぷり時間をかけて充電できるので、確実に満充電にできます。
外部充電器での電圧低下対処を検討される方は以下からバッテリー充電器をチェックしてみてください。
バッテリー充電後、数日経ってから再度電圧チェック
バッテリーを満充電後、数日経過してから再度電圧をチェックしてみましょう。
満充電に近い12.6~13V程度になっているなら問題ないでしょう。
このときの電圧が既に低い電圧になっていたら要注意です。
バッテリーの劣化の進行が大きく交換が必要な状態である可能性が高いです。
バッテリー電圧で寿命の判断は可能!?
バッテリー充電による電圧低下の対処を紹介しましたが、充電しても数日後に電圧が下がる状態であれば、寿命が近いと考えてよいでしょう。
その他に追加の判断要素として、
- バッテリーの使用期間が3年を超えている
- クルマの使用頻度が低い
- アフター取付けの電子機器が多い(駐車中監視ドライブレコーダーなど)
これらの項目に該当するなら、寿命である確率がさらに高まります。
寿命になると突然バッテリー上がりが発生することもあります。
以上のような状況になったら早めのバッテリー交換をオススメします。
交換用バッテリーとして当サイトではPanasonicのカオスバッテリーをおすすめしています。
おすすめの理由は以下の記事で解説しているのでバッテリー交換を検討するときの参考にしてください。
>>Panasonic カオスバッテリーをおすすめする3つの理由
「自分で交換するのは不安だなぁ」という方にはJAFを利用したお得な交換方法を紹介しています。気になる方は以下の記事をチェックしてください。
>>JAFは持ち込みバッテリーの交換無料!?【5ステップ手順解説】
バッテリー電圧の測り方を覚えて点検してみよう!
バッテリー電圧の測定のオススメ方法は2つあります。
- シガーソケットから電圧測定
- デジタルマルチメーターを使って電圧測定
シガーソケットから電圧測定
シガーソケットからの測定がカンタンで導入コストも安くおすすめです。
おすすめする理由
- 手軽でカンタン
- 導入コスト低い(1,000~1,500円ほど)
シガーソケットに挿すだけで使用できるようになるのでとってもカンタンです。
価格は1,000円程度から手に入るのでお手頃。
カンタンで安価な方法だけにデメリットもあります。
- ACC、IG-ONのときしか電圧が測れない
- 測定精度が低い
ACCとはブレーキを踏まずにスタートスイッチを1プッシュした状態です。IG-ONはエンジンONの状態と思ってください。
これらの状態ではバッテリーは放電か充電かが発生してしまうため、安定した状態のバッテリー電圧が測定できません。
少しでも安定した電圧が知りたい場合はクルマを使う日の一番初めにスタートスイッチをブレーキを踏まずにワンプッシュして表示される電圧を読んでください。
この方法でも放電の影響があるので読んだ値に「+0.1~+0.2V」した値が安定電圧と考えればよいでしょう。
例えば12.5Vが観測されたら安定電圧は12.6~12.7V程度です。
換算した値が満充電に近い12.6~13V程度になっているならひとまず問題ないでしょう。
さっそく電圧をチェックしてみようという方は以下から商品をお探しください。
デジタルマルチメーターを使って電圧測定
もっとしっかり測定したい方にオススメなのがデジタルマルチメーターを使った方法です。
使い方は特に難しくありません。
まず、直流電圧を測定するレンジに切り替えます。(以下画像参照)
バッテリーのプラスの端子に赤いプローブを、マイナスの端子に黒いプローブを押し当てれば測定できます。
クルマのスイッチOFFの状態で測定できるので、安定したバッテリー電圧を測定できます。
デジタルマルチメーターの価格はピンキリで、1000円から数万円するものまであります。
バッテリーの電圧確認程度なら2,000~3,000円程度のものがちょうどいいでしょう。
以下のリンクからデジタルマルチメーターを探してみてください。
電圧測定の詳細は以下の記事で紹介していますので、もっとよく知りたい方はチェックしてみてください。
>>誰でもできてカンタン!バッテリー電圧の測り方【2つの方法紹介】
バッテリー電圧まとめ
この記事ではバッテリー電圧に関する重要事項を紹介しました。
紹介した内容をまとめます。
- 13.0V~:
充電直後の影響が残っている(正常) - 12.6~12.9V:
80%~100%の充電状態(正常) - 12.4~12.5V:
50%~70%の充電状態
(鉛バッテリーにとって充電不足) - ~12.3V:
深刻な充電不足 or 寿命が近い
>>バッテリーの電圧低下の原因は? 3つのよくある状況を使って解説
>>あれっ?車のバッテリー電圧が14Vはどんな状態?正常?異常?
- バッテリー電圧低下時は充電して対処
- 充電しても電圧が数日で下がるようなら寿命が近い
- 寿命が近いバッテリーは早めに交換
>>Panasonic カオスバッテリーをおすすめする3つの理由
>>JAFは持ち込みバッテリーの交換無料!?【5ステップ手順解説】
- シガーソケットから電圧測定
- デジタルマルチメーターを使って電圧測定
>>誰でもできてカンタン!バッテリー電圧の測り方【2つの方法紹介】
バッテリー電圧をよく知らなくても車を使うことはできます。
ですが、バッテリー電圧を知らないことで、バッテリー交換回数が増えて損したり、バッテリー上がりのトラブルにあったりしてしまうかも知れません。
バッテリー電圧の知識を身につけ実践することでバッテリー交換回数が減り、お財布にも環境にも優しくなります。
知識を上手に活用して快適なクルマライフをおくりましょう。