エンジンかけたままバッテリー交換どうなる?【危険?それとも・・・】

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アイキャッチ_エンジンかけたままバッテリー交換どうなる?

エンジンをかけたままバッテリー交換をすることがあるって聞いたけど、なんか危なそう。
なんでそんなことするんだろう?

エンジンかけたままのバッテリー交換ってやってもいいのかなあ?

このような疑問を解決できる記事になっています。

この記事を読めば、エンジンをかけたままバッテリー交換するリスクとなぜリスクとなるのか理由がわかります。

目次

エンジンをかけたままバッテリー交換する目的

バッテリー交換をするときは、エンジンを止めるのが基本ですが、エンジンをかけたままバッテリー交換をする場合は何が目的なのでしょうか。

まずはエンジンをかけたままバッテリー交換をする目的について説明します。

目的:メモリーリセット防止のため

リセットのイメージ
エンジンをかけたままバッテリー交換をする目的は、車両のコンピューターが記憶しているメモリーがリセットされてしまうのを防止するためです。

車には様々な機器が搭載されており、常に電源を供給しないとメモリーが消えてしまう機器もあります。

メモリーが消えてしまうとこれまでの走行記録や燃費記録などが消去されてしまい、機器の再設定が必要になります。

では、なぜエンジンをかけたままバッテリー交換をすれば、メモリーがリセットされないのでしょうか。

エンジンをかけたままだとメモリーリセットされない理由

答えは、バッテリーとオルタネーター(発電機)の関係にあります。

バッテリーとオルタネーター、電気負荷の関係を使って説明します。

エンジンが止まっている時
エンジンが止まっている(オルタネーターが発電していない)ときには、バッテリーが各電装品に対して、電力を供給します。

エンジンが動いている時
エンジンが動いている(オルタネーターが発電している)ときには、オルタネーターが各電装品に対して電力を供給し、バッテリーを充電します。

つまり、エンジンが動いている(オルタネーターが発電している)ときは、バッテリーを外したとしても、各電装品には電力供給ができる状態であり、メモリーがリセットされる心配がありません。

この間にバッテリーを新しいバッテリーに交換して、配線を元通りにつなげば、メモリーがリセットされることなく交換が完了します。

エンジンをかけたままバッテリー交換してもいいのか

エンジンをかけたままバッテリー交換をする目的は以上の通りですが、通常のやり方ではない「エンジンをかけたままのバッテリー交換」は本当にやってもいい行為なのでしょうか。

何かリスクをともなうやり方なのではないかという疑問が出てくると思います。

エンジンをかけたままバッテリー交換をしてもいいのかについて説明します。

結論:リスクを受け入れられるならしてもいい

リスクのイメージ
結論としては、発生するリスクを受け入れられて、うまく作業ができる自信があるならやってもいいと思います。もちろん何が起きても自己責任でお願いします。

リスクが発生すると書きましたが、ではどんなリスクが発生するのか?

次は、もしもエンジンをかけたままバッテリー交換をして失敗した場合に何が起こるのかについて説明していきます。

エンジンをかけたままのバッテリー交換失敗で起こること

エンジンをかけたままだとしても、バッテリー交換はできます。

では何が問題になるかというと、外したプラス端子がボディーに触れたときのショートが問題になります。

エンジンを止めて正しい手順でバッテリー交換をする場合にはプラス端子をボディーに接触させてもショートは起こりませんが、オルタネーターで発電を行いながらであれば話は別です。

ショートが発生して、火花が発生し、ケーブルが大電流で加熱され、大変危険です。

ショートが起こった場合、回路に大電流が流れるので最終的には次のようになります。

結論:ショートしてメインヒューズが飛ぶ

ヒューズ
エンジンをかけたまままでショートが起きると、回路全体を保護するためのメインヒューズが飛んで焼き切れます。

メインヒューズが飛ぶとどうなるのか

メインヒューズが切れたあとは、メインヒューズを交換するまで、車の使用はできません。

バッテリーを新品に取り替えたとしてもスターターモーターを回すことはできず、エンジンはかかりません。

ある程度の知識があってヒューズBOXの確認ができ、対応するヒューズに交換できるのであれば、自力でヒューズ交換して復旧ということも可能です。しかし、通常その作業ができる人は限られるので、専門の整備士にやってもらうのが現実的でしょう。

各電装品にショートの過電流が流れずにヒューズがしっかり焼き切れて保護ができていればヒューズ交換だけで済みますが、100%保護できるとは言いきれません。

ヒューズで保護できなかった場合は最悪車両のECUなどの交換になり、とんでもない修理費用になることも覚悟してください。

リスク回避の対策

エンジンをかけたままのバッテリー交換はショートを絶対に発生させない玄人の整備士が使うテクニックという感じの情報がネット上では見受けられます。

しかし、お客様のクルマでそんなリスクの高いことをする整備士は整備士失格ではないでしょうか。

素人であろうと、玄人であろうとリスクを回避した正攻法でバッテリー交換するのが得策です。

エンジンをかけたままというリスクの高い方法を使わずにメモリーリセットを防止できるバッテリー交換方法をご紹介します。

メモリーバックアップ専用の製品を使う

メモリーバックアップする方法は単純です。
メモリーバックアップの製品を購入して正しく使えばOK。

メモリーバックアップするための製品がいくつか販売されています。

バッテリー交換でメモリーリセットさせたくない場合にはそれらの製品を使用しましょう。

代表的でオススメできるものを2点紹介します。

【定番】エーモン工業のメモリーバックアップ


こちらの製品は乾電池を直列に8個使って12V電源とし、交換するバッテリーターミナルに直接クリップ接続するメモリーバックアップです。

良い口コミと悪い口コミは以下のようなものでした。

「アマゾンでPanasonicのカオスバッテリーを購入し、これを使って交換しました。思ったより簡単でした。」

「ワニ口クリップの挟み込み力が弱く、バッテリー交換時にクリップが外れてメモリーバックアップに失敗してしまった」

安価で使い方もカンタンな良い商品ですが、クリップ部分に課題があるようです。
うまく使いこなせる方にはオススメできます。

OBDⅡコネクタータイプで作業しやすいメモリーバックアップ

こちらの製品は交換するバッテリーのターミナルにクリップで接続するのではなくOBDⅡコネクターという車両の故障診断に使われるコネクターからコンピュータ類に電力を供給する方法でバックアップするタイプです。

電源は乾電池6個を使用します。6個なので9V程度となり、機器がリセットしない最低限の電圧を確保できるレベルの電圧で使用します。

OBDⅡコネクタを使用する製品ではバッテリ周りに余計なものを置かなくていいので、作業性が格段によくなります。

バッテリーの周りは意外とスペースがなく、バッテリーが引き抜きずらかったりします。
そんなときクリップが外れないか不安になりながら作業するのは危険です。
バッテリーは10~20kgはある重量物であるため作業性をよくすることは重要です。

自分の車両のOBDⅡコネクタの位置が把握できている方はこちらの製品を選ぶとバッテリー交換作業がしやすくなるためオススメです。

まとめ

エンジンをかけたままのバッテリー交換に関してまとめます。

  • エンジンをかけたままバッテリー交換するのはメモリーリセット防止のため
  • ショートした場合、ヒューズが飛ぶ、ECU等が故障するリスクがある
  • エンジンかけたままの交換より正しい方法でメモリーバックアップを推奨

エンジンをかけたままバッテリー交換することは非常にリスクをともなうので、正しい方法でのバッテリー交換を推奨します。

バッテリー交換にはメモリーバックアップが必要とされていますが本当に必要なのか、不要な理由、必要な理由について解説した以下の記事も参考にしてもらえればと思います。

えんじろう

正しい知識を身につけて安全に作業ができるようにしましょう。

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