バッテリー交換に使う工具ってなにがあるのかな?
なんとなく使う工具はわかるけど、一番オススメってなに?
バッテリー交換の作業で注意する点ってあるのかな?
このような疑問を解決します!
私はバッテリー開発経験があり、バッテリー交換作業も実際に経験しています。
作業に使った工具の使用感や、その中でも使いやすかったものなど、実際の経験をふまえて紹介していきます。
この記事は以下の3点について重点的に解説します。
- バッテリー交換に必要な工具はなにがあるのか、6選を紹介
- バッテリー交換工具6選の中で一番オススメな工具はなにか
- バッテリー交換作業の注意点
この記事を読めば、バッテリー交換に最適な工具を見つけることができ、効率的なバッテリー交換作業ができるようになりますよ。
バッテリー交換に必要な工具6選
バッテリー交換ではバッテリーポストに取り付けるターミナルを締めたり緩めたりする必要があります。
バッテリーのターミナルとバッテリー固定ステーは以下のようにに取り付けられています。
バッテリー交換をするためには上記で示した部分のナットを回さなければなりません。
ボルト・ナットを回すためには専用の工具が必要です。
この記事ではボルト・ナットを回すための工具6種類を紹介します。
6種類は以下のとおりです。
それぞれ特徴があるので1つずつ解説していきます。
スパナ
一番シンプルで価格も安く、すでにお持ちの方も多いと思いますがバッテリー交換用の工具としては若干使いにくいです。
理由は、ナットに工具をはめにくく、ナットに噛ませたときに外れやすいためです。
当然工具の扱いに慣れていれば問題ないですが、慣れていない場合はナットから外れて車体に接触ということも考えられます。
ホールド性が難点なのでスパナよりも他の工具のほうがオススメです。
メガネレンチ
こちらもスパナ同様安価なタイプです。
片側ずつスパナとメガネレンチになっているタイプもあります。
スパナよりもホールド性に優れており扱いやすいです。
ただ、ラチェットタイプのように一方向のみに回すことができる機構ではないので、いちいち外して付けてを繰り返しながら回す必要があり作業性が悪いことがデメリットです。
また、長さがあるのでショートさせないように気をつけて作業する必要があります。
ラチェットレンチ
ラチェットタイプは一方向のみにナットを回すことができ、反対に回すと空回りする機構になっています。
メリットは回転方向のスペースが狭い場所でも、締め付けが容易にできるところです。
回すためにいちいち外して付け替えての作業をしなくてよいので作業効率が良くなります。
デメリットはソケットを取り付けるためソケット部分が長くなり、レイアウトによってはナットが回せなくなることです。
レイアウトが厳しくない場合には1番作業しやすい形状です。
メガネラチェットレンチ
メガネレンチの形状で、ラチェット式になっているレンチです。
メガネレンチとラチェット式のメリットを両方持っているタイプなので、バッテリーターミナルのナットの締付けに適しています。
メガネレンチ同様、長さがあるのでショートさせないように注意が必要です。
次に紹介する板ラチェットレンチとともにバッテリー交換作業にオススメできる工具です。
板ラチェットレンチ
薄い形状なので狭いスキマにも入りやすく、長さも短いので、小回りが利いて使いやすいです。
あまりデメリットはないですが、あるとすれば平板形状なために干渉してしまう場合があるかも知れません。
ラチェットタイプなので、回転方向が狭い場合にも対応でき、個人が行うレベルのバッテリー交換には1番使いやすくてオススメできます。
トルクレンチ
バッテリー端子へのターミナルの取り付けにはメーカーが指定する締め付けトルクがあります。
鉛でできているバッテリーポストはターミナルの銅合金の素材よりも柔らかく変形しやすいです。
強く締め付けすぎると変形して、ターミナルが抜けやすくなります。
トルク管理をして適正なトルクで締め付けることで締め付けすぎを防止できます。
トルクレンチは締め付けすぎ防止のメリットはありますが、デメリットとしてここまで説明した工具よりも値段が高いことがあげられます。
こだわりのある方や、他にもトルク管理しての締め付け作業をするという方にはオススメです。
バッテリー交換オススメ工具は板ラチェットレンチ
ここまでに紹介した6種類どの工具でもナットのサイズに合っていれば、バッテリー交換作業ができますが、バッテリーの配置レイアウトによっては使用できない工具もあります。
ご使用の車両のレイアウトに合わせて用意してください。
どれにしようか迷ってしまうという方にオススメしたいのは板ラチェットレンチです。
板ラチェットレンチをオススメする理由
板ラチェットレンチをオススメする理由は
- レイアウトを気にせずに使用できる
- 作業の小回りが利く
- 1つでバッテリー交換に必要なナットサイズに対応
1つ持っておくとラクラク作業ができ、板ラチェットレンチ1つだけでバッテリー交換のナット回しが完結できます。
ボルトナットのサイズと適用できるレンチ
工具のサイズですが、ターミナルのボルトナットが10mmであるのが一般的。
バッテリーを固定するステーについては8mm, 10mm, 12mmと車両によって使われているサイズが異なるので、よく確認しましょう。
「確認するの面倒だよ!いい工具ないの?」という方には「4サイズ対応の板ラチェットレンチ」があります。
8・10・12・13mmが対応しているので、これ1つでほぼ全ての車両のバッテリー交換に対応できます。
バッテリー交換で工具を扱うときの注意点
バッテリー交換作業時の工具の取り扱いはそれほど難しくはありませんが、工具を扱うときには次の2点に注意して作業しましょう。
- 締め付けすぎに注意
- ショート(短絡)に注意
思わぬ怪我や事故にあわないためにも注意点は知っておくべきです。
2. 締め付けすぎに注意
バッテリー端子の鉛は他の金属よりも柔らかく、強く締めすぎると変形しすぎて、ターミナルが緩くなります。
多少変形して食い込む程度ならいいのですが、あまり強く締めすぎると保持力が低下してしまいます。
トルクレンチでトルク管理をして締めるのがベターですが、その他の工具で感覚にたよって締めても大丈夫です。
コツとしては手応えがあったら力を入れすぎずにそこで止めて、ハーネスが回転しないか、上に引っ張っても抜けないか、確認してみることです。
強めに引っ張って全く動かないような状態になっていれば問題ありません。
それでも心配だという場合にはトルクレンチでの締め付けをオススメします。
ただ、締め付けトルクは整備書などを見ないと正確にはわからないので、確認できる場合は確認してから作業しましょう。
目安としては5~6 [Nm]程度に設定されていることが多いです。
2. ショート(短絡)に注意
バッテリーのプラス端子とマイナス端子を金属製の工具で直接つないでしまうと、工具に大電流が流れるショート(短絡)が起こってしまいます。
ショートはプラス端子のナットを回しているときに工具の反対側が車体に触れても起きてしまいます。
マイナス端子とボディーが接続していれば、どちらもアースの電位になるので、プラス端子とボディーの接触でも短絡状態になり大電流が流れてしまいます。
ショートを防ぐためにも、バッテリー端子はマイナス側を先に外して作業をしましょう。
十分注意していても不測の事態は起こるものです。
万が一のためにも手袋をつけて作業しましょう。
ショートして大電流が流れた場合工具が一瞬で高温になります。
火傷しないためにも手袋の着用をオススメします。
ショートを防ぐために絶縁された工具もあリます。
ついうっかりを防ぎたい方は絶縁処理された工具を使うのもアリなのでチェックしてみてください。
バッテリー交換の工具(レンチorスパナ)のまとめ
バッテリー交換に必要な工具についてご紹介しました。
オススメする工具は板ラチェットレンチです。
基本的には8, 10, 12mmの六角ボルトが回せる工具があれば作業はできますので、お手持ちの工具でバッテリー交換を検討してみてはいかがでしょうか。
工具をまだ持っていないという場合には4サイズ対応の板ラチェットレンチをオススメします。
興味を持った方は以下から商品詳細をチェックしてみてください。
その他の工具が気になった方は以下からチェックしてみてください。