バッテリー交換でメモリーバックアップが必要だって聞いたけど本当に必要なの?
自分の場合はバックアップ不要だったりしないかな?
バックアップが必要か不要かは悩ましいところだね。
どちらの理由も解説するから自分に合ったほうを選択してみてね。
私はバッテリー開発の経験があり、バッテリー交換にともなう車両への影響に関しても知識があります。
この記事ではバッテリー交換時のバックアップが不要な理由、必要な理由を解説します。
結論からいうと、バックアップが不要か必要かに決着をつけることはできません。
なぜならどちらを選ぶかはその人の考え方や状況によって左右され、不要・必要どちらの場合にも理由があるからです。
この記事ではその理由について解説しましたので、ぜひ最後まで読んでいただきバックアップするかどうかの判断材料にしてみてください。
結論:本質追求型な人はバックアップが不要
「本質追求型な人」はバックアップが不要です。
なぜなら自動車のメモリーバックアップは本質的には必要のない作業だからです。
やらなくてもいい行為、本当はあまり意味のない行為をしてしまうのは、本質を追求している人ならNGなはずです。
バッテリー交換のバックアップは実際には必要ありません。
こう主張するのはバッテリー交換のバックアップが不要である3つの理由があるからです。
バッテリー交換のバックアップが不要な理由3つ
バッテリー交換のバックアップが不要な理由は3つあります。
- 走行に必要な重要情報は消去されないから
- バッテリー充放電履歴のリセットが必要だから
- バックアップしていても失敗することがあるから
理由1:走行に必要な重要情報は消去されないから
バッテリー交換でメモリーがリセットされても走行に関わる重要な情報は消えません。
なぜならコンピュータの記憶領域にはROMとRAMがあり、重要情報はリセットされないROMの領域に記憶されるからです。
走行に関わる重要情報はバッテリーからターミナルが外れても消えません。
一方、RAMに記録されている情報はターミナルが外れると消えてしまいます。
どんな情報かといえば
- 自動的に設定位置を記憶するオートアジャストシート
- ラジオの選局設定
など再設定すれば書き換えられるようなレベルの情報です。
これらの情報はクルマにとって最も重要な走る・止まる・曲がるに対して影響しません。
バッテリーが再取り付けされれば、いったんリセットされてしまったRAM情報は再学習が始まるので基本的には問題ありません。
ただし、オートウインドウの再設定など手順が決まっていて手間がかかる再設定項目もあります。
その手間が面倒、わかりにくいと感じる場合にはバックアップしてのバッテリー交換がおすすめだといえます。
理由2:バッテリー充放電履歴のリセットが必要だから
バッテリー充放電履歴は新品バッテリーに交換した際にリセットされなければなりません。
なぜならリセットしないとクルマはバッテリーが交換されたことに気づかずアイドリングストップ可能条件に入らなくなる可能性があるからです。
アイドリングストップできなければ燃費が悪くなってしまいます。
充放電履歴のリセット方法は車によって違かったり、リセットが必要なかったりします。
中にはバッテリーターミナルを外すことが条件になっていることもあるため、そういったクルマはそもそもバッテリー交換時にメモリーバックアップが不要です。
下手にメモリーバックアップしてしまうと充放電履歴がリセットされず、アイドリングストップができないといったトラブルが発生してしまうかもしれません。
充放電履歴リセットの条件はメーカー・車種によって異なるのでご注意ください。
必ずバッテリーターミナルを外す必要があるわけではありません。
理由3:バックアップしていても失敗することがあるから
バックアップ作業は意外と難しいもので不慣れだとバックアップ失敗してしまうことも十分に考えられます。
例えば以下のようなバックアップ失敗です。
- モタモタしているうちにバックアップ電源が放電してしまった
- バックアップ電源が十分充電されていなかった
- 作業中にクリップが外れてしまった
せっかくバックアップ電源を購入してもバックアップ作業に失敗してしまうとショックが大きいです。
なので、わりきってはじめからバックアップせずにバッテリー交換したほうが精神的衛生上よかったりします。
結論:ことなかれ主義な人はバックアップが必要
バックアップ不要な理由をここまで説明しましたが、やはりバックアップが必要という考え方もあると思います。
どんな人にバックアップ必要かといえば「ことなかれ主義」な人です。
なぜならバッテリー交換時にバックアップをすれば基本的にトラブルが発生しないので、トラブルを嫌うような「ことなかれ主義」の人に合っているからです。
もう少しかみくだいてバッテリー交換のバックアップが必要という視点で理由2つを紹介します。
バッテリー交換のバックアップが必要な理由2つ
バッテリー交換のバックアップが必要な理由は2つあります。
- メモリーがリセットされてしまうから
- リセット後の設定作業が面倒だから
理由①:メモリーがリセットされてしまうから
当然ですが各種設定されていたメモリーがリセットされてしまうからバックアップは必要という考え方です。
メモリーが消えてしまっても重要な問題にはならないですが、人によっては大事に育てていた何かしらの記録があるかも知れません。
仮にリセット後再設定可能だとしても、ずいぶん前に設定したのでしっくりくる設定がすぐに思い出せない、見つからないかも知れません。
こういったことをトラブル、リスクだと感じるような方はバックアップ電源を使ってバッテリー交換することをオススメします。
理由②:リセット後の設定作業が面倒だから
リセットが発生してしまうと各種の設定作業が必要です。
この設定作業がどんな作業か整備のプロならマニュアルを確認してわかっているものですが、普通のユーザーが把握していることはあまりないでしょう。
ネットの情報などをかき集めて作業することになりますが、不十分だったり間違っていたり、結局わからずディーラーに駆け込むことになるかも知れません。
そうなってはDIYでバッテリー交換をした意味がありません。
面倒な作業を回避したければ、メモリーバックアップは必要です。
メモリーバックアップ製品3選
ここまでメモリーバックアップが不要、必要どちらの考えも紹介しました。
ここまでの内容を読んでみてやっぱりバッテリー交換時はメモリーバックアップが必要だと思った方におすすめのメモリーバックアップ製品3選を紹介します。
エーモン メモリーバックアップ(乾電池+クリップタイプ)
1番手軽で安価にバックアップができるのがエーモン メモリーバックアップです。
手軽、安価な理由は
- 電源:乾電池
- 接続:バッテリー端子に直結するクリップタイプ
だからです。
デメリットとしては作業中にクリップが外れる可能性があることです。慎重な作業を心がけるなどの注意が必要です。
実際に使って問題なく使えた口コミも多く、一般ユーザーが使用した実績はNo.1だといえるでしょう。
気になった方は以下のリンクからチェックしてみてください。
カーメイト メモリーキーパー(乾電池+OBD2タイプ)
エーモンのメモリーバックアップの次に実績があるカーメイト メモリーキーパーを紹介します。
カーメイト メモリーキーパーはOBD2コネクタから電源をとるため本体は車室内に設置します。クリップでバッテリーに直接接続する必要がなく作業がしやすい点が特長です。
デメリットとしては
- OBD2コネクタの位置がわからなければ使用できないこと
- 乾電池なので作業がもたつくと電圧が下がりバックアップ失敗すること
OBD2コネクタ位置がわかる、調べられる方にはオススメのメモリーバックアップ製品です。
気になった方は以下のリンクからチェックしてみてください。
Kaise(カイセ) メモリーバックアップ(内蔵電池+OBD2 or クリップ)
最後に紹介するのはKaise(カイセ) メモリーバックアップです。
先に紹介した商品とはうってかわって本格的な仕様となっています。
なぜならエーモンとカーメイトの電源が乾電池なのに対してカイセは内蔵の充電式リチウムイオン電池であり、接続はOBD2とクリップの両方が選べるからです。
カイセ メモリーバックアップは完全にエーモン、カーメイト2製品の上位互換な製品といえます。
デメリットは高機能であるがゆえに価格が高い点です。
バッテリー交換をこれからもDIYで実施する方や、家族、知人の車のバッテリー交換も任されていて繰り返し交換作業する予定のある方にオススメです。
気になった方は以下のリンクからチェックしてみてください。
番外:裏技的な方法
裏技的なメモリーバックアップ方法として「エンジンをかけたままバッテリー交換」することがあるそうです。
推奨する方法ではないですが、疑問がある方も多いので記事にしています。
興味のある方は以下の記事をご一読ください。
まとめ:バックアップが不要か必要かは個人の判断で
バッテリー交換のバックアップが不要な理由、必要な理由を解説しました。
不要な理由、必要な理由をおさらいすると
- 走行に必要な重要情報は消去されないから
- バッテリー充放電履歴のリセットが必要だから
- バックアップしていても失敗することがあるから
- メモリーがリセットされてしまうから
- リセット後の設定作業が面倒だから
どちらの立場でも理由があり、バックアップするかどうかは、その人の考え方や性格によって決めればよいと思います。
バックアップする、しないどちらの観点でもメリットやデメリットがあり、不要、必要を選択する理由があります。
最終的には自分にあったバッテリー交換方法を選ぶしかないので、この記事の内容も参考にしながらご自身で判断してみてください。