
「バッテリーをそろそろ交換しようと思っているけど、バッテリーって今ついているサイズを取り付けないといけないのかな?」
「今より大きいサイズを付けたらどういうメリットやデメリットがあるんだろう?」
と疑問に思っていませんか?
この記事では、バッテリーをサイズアップする場合のメリットやデメリットについてご紹介していきます。
目次
バッテリーのサイズアップとは何をするのか?
「バッテリーのサイズアップって具体的になにをすることなの?」という方のために、まずはバッテリーのサイズアップとは何をすることなのか解説します。
クルマを買ったときにバッテリーはすでに搭載されていますよね?
その搭載されているバッテリーは純正サイズのバッテリーになります。このバッテリーよりも1サイズ、車両によっては2サイズ大きいバッテリーに交換するということがバッテリーのサイズアップをするということです。
車両ごとにバッテリーに与えられたスペースは決められているので、どの程度のサイズアップが可能化はその寸法を確認して実施する必要があります。
具体的な車種別にどんなサイズアップがあり得るのかを解説していきます。
軽自動車のバッテリーサイズアップ
軽自動車は、小型のバッテリーが搭載されています。
例えば、JIS規格の「B19」や「B20」が純正で搭載されていることが多いです。
後ろの数字の「19」や「20」はバッテリーの長さをcmで表した数字です。
Bというのは短側面の大きさを表しておりBの場合であれば同じ大きさになるため、B19とB20は1cm長さが違うだけでほとんど同じ大きさです。
よって、B19からB20へのバッテリーのサイズアップというのはほぼ確実に実施することができます。
ただ、ほとんど大きさが変わらないのでサイズアップの効果を実感することは難しいかも知れません。
B20の次に大きいサイズとして、B24というサイズがあります。B20から4cmアップなので、車両のレイアウトによっては搭載可能な大きさだといえます。
次のサイズになるとD23というサイズがありますが、BからDにサイズアップすると短側面の大きさまで変わってしまうのでBからDへのサイズアップはよっぽど余裕がない限り厳しいです。
また、固定金具のサイズも合わない可能性があるのでB→Dのサイズアップかなり厳しいでしょう。
実際のサイズアップはやはり現物(車両の搭載スペース)を見て判断しないといけないので上記の情報は参考程度と考えてください。
SUV, ミニバンなどのバッテリーサイズアップ
比較的大きめの乗用車になると、電装品の数も増えてくるため標準搭載のバッテリーも大きくなっていきます。
例えばアイドリングストップ車であれば、Q-85やS-95というサイズが標準になっている事が多いです。
このQ-85、S-95という型式のバッテリーはJISのサイズでは、それぞれD23、D26のサイズにあたります。
このD23とD26は短側面のサイズはDで同じであり、長さの部分の23と26では3cmほど26の方が長いというサイズになっています。
ですので、Q-85(D23)であればS-95(D26)にサイズアップできる場合があります。
S-95(D26)が標準である場合には次のサイズであるT-115(D31)というバッテリーが候補になります。
この場合は5cm長くなるので、搭載場所にかなり余裕がないとサイズアップをするのは難しいでしょう。
実際のサイズアップはやはり現物(車両の搭載スペース)を見て判断しないといけないので上記の情報は参考程度と考えてください。
形状を大きくしない性能アップ
ここまでは形状を大きくして性能アップを狙う方法を紹介しましたが、搭載場所に限りがある場合はサイズアップをせずに性能ランクという部分を大きくして性能をアップさせる方法があります。
この性能ランクについて詳しくは別の記事に書いていますのでそちらを参考にしてください。
バッテリーをサイズアップする5つのメリット
つづいてはバッテリーをサイズアップすることでのメリットを紹介します。
バッテリーサイズアップをすることでのメリットは次の5つです。
- 寒い時期にバッテリー上がりしにくくなる
- 放置できる期間が長くなる
- 充電受入性が良くなり燃費向上する
- 寿命が伸びて交換頻度を低減できる
- 電装品をたくさんつけても安心
①:寒い時期にバッテリー上がりしにくくなる
バッテリーの放電性能というのは寒い状態、低温になると著しく低下します。
バッテリーの性能低下はバッテリー上がりを引き起こす原因となり、バッテリー劣化や充電不足との合わせ技で冬場にバッテリー上がりが多くなっているわけです。
バッテリーを大きくすると、容量がアップしますし、放電性能もアップしますので、この冬場のバッテリー上がりを防ぐことに大きく貢献します。
とにかくバッテリー上がりしたくないという方にはバッテリーのサイズアップをして、劣化が進みすぎる前に定期的に交換することをオススメします。
そうすればきっとバッテリー上がりとは無縁になることでしょう。
②:放置できる期間が長くなる
車を所有していても週末にしか乗らないとか、1ヶ月、2ヶ月放置してしまうことはザラだという方もいるかも知れません。
バッテリーは自己放電や車両の暗電流によって、徐々に蓄えられている電気を失い、やがてバッテリー上がりを起こしてしまいます。
もともとのバッテリーの容量が大きくなれば、電気量がいくらか減ってもエンジン始動できるだけの電気が残っていればバッテリー上がりとはなりません。
劇的に放置期間が伸びるということは期待できませんが、サイズアップすることで放置できる期間は確実に延びるでしょう。
③:充電受入性が良くなり燃費向上する
容量が大きいバッテリーと小さいバッテリーで、同じ充電率、他の設計仕様も同じ条件で充電受入性を比較したとしましょう。
その場合、必ず容量が大きい方が充電受入性はよくなります。
充電受入性が良いということは、それだけ充電の効率も良くなり、オルタネーターの負担が少なくすむので発電の電費がよくなります。
そうすると、オルタネーターを回しているエンジン側の燃費も良くなります。
効果は微々たるものかもしれませんが、たくさん車を使用する人にとっては燃費が少しでも良くなることは嬉しいことだと思います。
燃費のためにもサイズアップを検討してみてはいかがでしょうか。
④:寿命が伸びて交換頻度を低減できる
容量が大きいバッテリーと小さいバッテリーで同じ電流条件で充放電をしたとき、容量が大きいバッテリーと小さいバッテリーでは放電深さが変わります。
鉛バッテリーというのは基本的に深い放電に弱い特性があるので、放電深さが深くなる容量が小さいバッテリーは劣化が早く、放電深さが浅くなる容量が大きいバッテリーは劣化が抑制されます。
スタートの容量自体も違うので、仮に同じように劣化をしていったとしても、バッテリー上がりになるまでの期間はサイズアップしたほうが長くなります。
寿命が長くなれば交換頻度も少なくて済みますが、バッテリーの値段が上がるので確実におトクとはいえないかも知れないです。
それでも、うまく安くて性能の良いバッテリーが選べれば、おサイフの面でもメリットがあるでしょう。
⑤:電装品をたくさんつけても安心
年々自動車に装備される機器は増えています。
特にドライブレコーダーはもしもの事故やあおり運転の被害を受けたときの証拠になるため必須の機器になってきています。
ドライブレコーダーは走行中はもちろん駐車中も動作させるタイプがあります。
駐車中はオルタネータによる発電が止まっているため、ドライブレコーダなどを動作させる電力はバッテリーから持ち出されます。
これはバッテリーにとって、とても厳しい状況であり、こういった機器が増えれば増えるほどバッテリーにとって過酷な条件となります。
劣化が促進されたり、充電量が減って充電不足によるバッテリー上がりが起こったりします。
バッテリーのサイズアップをしておけば、こういった状況が軽減されますので安心です。
ただサイズアップをすれば完全に防げるというものでもないので、車を放置せず適度に充電することも併用しながらバッテリー寿命を伸ばしたり、バッテリー上がりを防いだりすることが重要です。
バッテリーをサイズアップする2つのデメリット
バッテリーをサイズアップすることのデメリットもあります。
当然という部分にはなりますがデメリットは2つあるのでご紹介します。
- バッテリーが高価になりコストアップ
- バッテリーの重量が増える
①:バッテリーが高価になりコストアップ
バッテリーのサイズがアップすれば、バッテリー自体が大きくなり材料コストも増え、値段は高くなります。
バッテリー自体の需要は小さいサイズのほうが需要が多い(日本は軽自動車が多い)ので、小さいバッテリーほど生産量が多く安くなりがちです。
サイズアップで得られるメリットに対してコストアップを許容できるかをよく考えてバッテリー選びをしましょう。
②:バッテリーの重量が増える
バッテリーの主材料は鉛です。鉛はその体積に対しての重量が大きいのでサイズアップによる重量アップもかなり大きいです。
例えば、Panasonicの人気バッテリーカオスのスペックの重量の部分の抜粋が以下になります。
1サイズアップによって、3.0~3.5kgのアップになっていますね。
3kgというのはなかなかの重量アップだと思います。
燃費を少しでも良くしたい、レースでの速さを求めているという方には許容できない重量アップかも知れません。
重量が増えてしまうというデメリットも理解した上でバッテリーのサイズアップを検討しましょう。
サイズアップしたときのオルタネーターへの影響
サイズアップして容量が増えると、オルタネータへの負担がうんぬんというのをネットでは見かけますが、サイズアップすることで負担が多くかかるということはないです。
オルタネータの出力は車両ごとに決まっていますので、サイズアップしてしまうとバッテリーが空っぽになっているときに満充電にするのに時間がかかります。
これを負担がかかっていると考える人がいるかも知れませんが、容量が大きければ同じ出力で満充電するまでにかかる時間が変わるのは当然のことです。
サイズアップによるオルタネータへの影響は特にないので、考慮に入れる必要はありません。
サイズアップしたときの燃費への影響
メリットとデメリットで説明しましたが、「充電受入性による燃費向上」と、「重量アップによる燃費悪化」の両方が考えられます。
どちらの方が影響するかを検証するのは他の要因も合わさってきますので、かなり難しいと思います。
燃費以外のメリットも考慮すれば、サイズアップはかなり魅力的ですので、燃費だけを気にせず総合的なメリットを考慮してサイズアップを検討してみましょう。
バッテリーサイズアップのまとめ
バッテリーのサイズアップについて解説しました。
バッテリーのサイズアップによってえられるメリットとデメリットをよく理解して、またバッテリーのサイズと実際の搭載場所をよく確認して、自分の車両が最座アップできるかどうかをよく検討してから行動しましょう。
サイズアップのバッテリーを買ったけど取り付けられなかったなんてことが無いようにして、適切にバッテリーのサイズアップができるとよいですね。