バッテリーをサイズダウンするデメリットはなにがあるんだろう?
こちらの悩みを解決します!
この記事では
「バッテリーをサイズダウンした場合のデメリットはなにか?」
にお答えします。
この記事を読んでいただければ、バッテリーをサイズダウンしたときのデメリットを知ることができ、サイズダウンをするかどうかの検討材料になります。
バッテリーのサイズダウンをするデメリット
バッテリーのサイズダウンをするデメリットは3つあります。
- 寒い時期にバッテリー上がりしやすくなる
- 車を放置可能な期間が短くなる
- バッテリーの寿命が短くなる
どんなデメリットなのか、なぜデメリットとなるのかを説明していきます。
寒い時期にバッテリー上がりしやすくなる
このデメリットは困りごとの代表格であるバッテリー上がりの可能性が高まるというものです。
サイズダウンすることによって、冬場にバッテリー上がりが起こりやすくなるのは「容量」と「低温始動性能」が下がるからです。
この容量と低温始動性能は、バッテリーの「性能ランク」を確認することで目安がわかります。
以下の画像はJIS規格バッテリーの型式を説明したものです。
1番左側の数字が性能ランクです。
この例では「38」という数字になっています。
この数字は前述したように容量と低温始動性能で計算されます。
この性能ランクは一般的にバッテリーのサイズが大きくなるほど大きな数字になります。
つまりバッテリーのサイズが大きいほどバッテリーの容量と低温始動性能は高まるわけです。
例えて言うなら『体がでかくて重いヤツが、スタミナ(容量)があったり、寒さに強かったり(低温始動性が高い)するのと同じ(?)』です。
基本的にバッテリー上がりになるのは嫌ですからバッテリーは車両に合っていて、できるだけサイズが大きく性能ランクも高いものを選ぶものです。
ですが、サイズダウンしたバッテリーは安いので、サイズダウンしたくなる気持ちもわかります。
「安心」か「安さ」どちらを優先するかは悩みどころ
どんな場合ならサイズダウンできそうかというと、「暖かい地域でしか車を使わない場合」です。
低温での始動がほとんどない状況であれば、それほどバッテリーの性能は必要ありません。
『暖かい地域では常に薄着でも十分過ごせるように、暖かい地域でならバッテリーもサイズダウンしたものを使っていても十分満足して車が使えるということと同じようなもの』です。
寒さに弱いというのはデメリットではありますが、使う人や使い方によってはカバーが可能なデメリットでしょう。
車を放置可能な期間が短くなる
サイズダウンをしてしまうと車を使用しないで放置しておける期間が短くなります。
これが起こる理由は、サイズダウンによって容量が減ったからです。
例えて言うなら、『お腹に脂肪をたっぷりたくわえた人は遭難して食料がなくなっても、なんとかそれなりの日数をその脂肪で生きながらえることができますが、スリムな人は無駄な脂肪がないためすぐに使える栄養がなくなってしまいます。』
容量が減るというのはそういうこととだいたい同じです。
バッテリーは長期間放置すると「暗電流」と「自己放電」の影響で充電率が下がっていきます。(参考:暗電流とは?)
例えていうと『遭難してお腹がどんどん減っていく』のと同じです。
バッテリーが始動性能を確保できないレベルまで充電率が低下するとバッテリー上がりとなります。
これは『救助が間に合わなくて餓死してしまった』と同じような状態ですね。
ごはんがもらえないバッテリーはかわいそう
バッテリーのサイズダウンをするということは容量が小さくなるので、バッテリー上がりせずに放置可能な期間が短くなるわけです。
このデメリットは使い方によっては回避できます。
毎日走行してバッテリーを十分充電できるような使い方であればほとんど問題となりません。
例えていうなら、『毎日ご飯を食べている人は餓死するわけない』ですよね?
バッテリーも充電によって「電気」というご飯を与えていればそうそう元気がなくなることはありません。
バッテリーの寿命が短くなる
バッテリーを長期間使用しているとだんだん新品のときに取り出せていた容量が取り出せなくなってきます。
これをバッテリーの「劣化」と言いますが、バッテリーの劣化には様々なモードがありバッテリーの使われ方によって複合的に影響してきます。
『人間が年老いて寿命が近くなると体の色んな所にガタが来る』のと一緒ですね。
バッテリーのサイズダウンをすることと寿命がどう関係があるかについて説明します。
サイズダウンをするということは必ず容量が小さくなります。
容量が小さいバッテリーは大きいバッテリーよりも総じて寿命は短いものです。
バッテリーは時間の経過とともにじわじわと使うことができない容量が増えていきますから、スタートの容量が大きい方が基本的に有利です。
例えていうなら、『大きな動物は寿命が長くて、小さな動物は寿命が短い』という自然の摂理と同じです。
ちなみにゾウは60~70年の寿命で、ネズミは2年の寿命といわれています。
バッテリーの寿命も、生き物の寿命もサイズ(体)の大きさでぜんぜん違うものになりますね。
バッテリーを長持ちさせてできるだけ長い期間バッテリー上がりの心配なく使いたいというのであればサイズダウンはオススメできません。
寿命は多少短くなってもイニシャルコストを抑えたいというのであればサイズダウンは視野に入るのではないかと思います。
結局は何に自分の価値を置くかが重要だと思いますので、この記事をご参考にしながらサイズダウンするかどうかは自分で決めていただくことが肝要かと思います。
バッテリーのサイズダウンで下がる要素
容量
サイズダウンをすることで、容量が小さくなります。
容量はバッテリーの最重要な性能の1つであり、小さいよりは大きいほうがバッテリーの用途におけるパフォーマンスは高まります。
ただし、大きくなればなるほど材料費も高くなるので値段は上がります。
鉛ってけっこうお高い
要はバランスなので、基本的には車両にあったサイズ、容量にすることをオススメします。
低温始動性能
低温始動性能はバッテリーの重要な役割の1つであるエンジン始動をさせる能力に直結します。
特に寒い地域であれば当然ですし、寒い地域でなくてもエンジンを始動させるときはバッテリーの温度は落ち込んでいるものなので、その状態でしっかり始動できることがバッテリーの能力として重要です。
基本的には容量が高まれば低温始動性能は高まりますが、低温始動性を良くするには鉛の活物質に最適な添加剤を入れることも重要です。
リグニンっていう添加剤です
性能ランクをよく見て、自分が車を使用する地域に合わせた低温始動性能のバッテリーを選ぶことが重要です。
寿命
寿命もバッテリーの大きさに基本的に比例します。
バッテリーの寿命には様々な要素が絡むのでサイズの大小だけで必ずしも寿命の長さが決まるものではないですが、全く同じ使い方をするのであれば必ず寿命とサイズは比例するでしょう。
ただし、種類の異なるバッテリー、例えば、「液式タイプ」と「VRLAタイプ」を比べた場合には、充放電のサイクルに対しての寿命性能はVRLAの方が勝りますので、液式タイプよりもサイズが小さくても寿命が逆転するということがありえます。(参考:VRLAとは?)
VRLAの方がギュウギュウなので耐久性がいい
バッテリーの交換サイクルを延ばしたいのか、イニシャルコストを抑えたいのか、バッテリーを酷使する使い方をしないからサイズを小さくするのか、何に重きを置くかを考えてバッテリー選びをすることが重要です。
充電受入性
バッテリーはサイズが大きくなったほうが容量が大きくなるとともに、バッテリーが放電して失った電気を回復するスピードも速くなります。
バッテリーのお腹が減っている、つまり充電率が低くなっているときのほうが充電受入性は高まる性質もあります。
空腹だとすぐにいっぱい食べれちゃう
また、アイドリングストップ車用のバッテリーは高価ではありますが、それだけ充電受入性能が高く、効率よく電気を取り入れることができるので燃費が良くなる効果もあります。
この充電受入性をよくするために、バッテリーの活物質中に導電材となるカーボンを添加しています。
サイズダウンで充電受入性は若干悪くなりますが、普通の使い方ではそれほど気にする要素ではないでしょう。
バッテリーのサイズダウンで上がる要素
軽量化
バッテリーをサイズダウンすれば、それだけ材料の鉛も減りますので軽くなります。
バッテリーというのはほとんどが鉛でできているので見た目以上に重量があります。
初めてバッテリーを持った人は「こんなに重いの!?」と驚かれるかも知れません。
そのぐらい重いです。
乗用車用でも20kg近くの重さになるものも
そんなバッテリーですからサイズダウンによって軽くなる重さは結構なものです。
車の軽量化をそんなにシビアに気にしている方はなかなかいないかも知れないですがサイズダウンによる軽量化は一つの要素として知っておくとよいと思います。
まとめ
バッテリーをサイズダウンするデメリットについて解説しました。
サイズダウンするデメリットは次の3つです。
- 寒い時期にバッテリー上がりしやすくなる
- 車を放置可能な期間が短くなる
- バッテリーの寿命が短くなる
1と2はバッテリー上がりにつながるデメリットなのでサイズダウンは個人的にあまりオススメできません。
ですが、サイズダウンはバッテリーのイニシャルコストをおさえる事ができるので、魅力的な部分もあります。
デメリット3つ目の寿命性能が下がるのでトータルのコストで考えるとサイズダウンしないほうがいいという可能性も高いです。
このようにメリットもあればデメリットもありますので「バッテリー選びは何に価値をおいて選ぶかが重要」だと私は考えます。
バッテリーを使用する環境やバッテリーに対する価値観は人それぞれなので、バッテリーに関する知識をしっかり身につけて自分に適したバッテリーを選びましょう。
バッテリーに関して困ることなく、快適なカーライフをおくれるようになるようにこのサイトはお助けしていきます。