この記事では「バッテリー上がりの防止方法について、その効果やメリット・デメリットがどうなるか私なりに考察」した内容をご紹介します。
今回挙げる「バッテリー上がり防止方法は大きく分類して3案」としました。具体的な方法はその中からさらに分けて説明します。
色々と意見が分かれる可能性もありますが、大筋間違いのない内容になっていると思いますので最後まで読んでいただけたら幸いです。
防止方法1:+B回路からバッテリーを切り離す
自動車の待機電流である暗電流が流れないようにするため負荷が繋がれた回路から切り離す方法です。
具体的な方法について説明します。(参考:暗電流とは?)
マイナス端子からハーネスを外す
こちらはエンジンルーム搭載のバッテリーの画像です。
上の画像の矢印位置がバッテリーのマイナス端子です。
この部分のハーネスをバッテリー端子から外すことで、バッテリーは車両の負荷からは一切放電されなくなります。
この状態であれば、バッテリーは自己放電の影響しか受けません。
自己放電は温度の影響を強く受けますが、暗電流に比べると小さいので、バッテリー上がりは当然しにくくなります。
バッテリーが失う電気は小さくなりますが、この方法にはデメリットがあります。
車のすべての電装品への電力供給が途絶えてしまうために車両のECU等が記録していた情報がすべてリセットされてしまうことがデメリットです。
「本当にしばらく車を使う予定がないよ」という方は使える手段かもしれないですが、そうでない限りは別の手段を考えた方が良いと考えます。
現在の車は回路の数もECUの数もどんどん増加しているため、それゆえ暗電流も増える傾向にはあるのですが、それだけ駐車中のECUが重要な役割を担っているということでもあります。
新しい車を所有しているならば、ハーネス外しという方法は選ばずに違う方法を検討してもらいたいです。
そもそもバッテリー上がりするほど車を使わないというなら車を売却処分して車を使いたいときにレンタルやシェアリングサービスを使う方が良さそうだと個人的には思います。
バッテリー カットオフ ターミナル/スイッチなるものを使う
こういう感じの商品が調べると売っています。
これはダイヤル式でON/OFFするようですが、他にも主に船舶用でのスイッチタイプとか色んな商品が売られているようです。
レビューを見ると良い意見もあれば悪い意見もあるという感じです。
わたしの見解としては大電流が流れるバッテリーの接続でこれらの商品が信頼できる製品なのかが一番心配だと思いました。
接点がどうなっているか画像だけでは判別できませんでしたが、接点が十分に接触して大電流に耐える設計なのかどうか(接触抵抗が大きすぎないか)が一番気になりました。
OFF状態ではきちんと絶縁が取れているのかどうかが気になります。
中途半端に導通して接触抵抗が過大になった状態で使用して発熱、発火なんてことになったら大惨事です。
こういう心配点を払拭できるデータ等が示されない限り使いたくない製品だと思いました。
ただ、どういう設計になっているのかは興味があるので、いつか人柱購入してレビューしてみるのもいいかもしれません。
現状はこの商品をオススメしません。そもそもカットオフすること自体あまり良いと思っていません。
防止方法2:定期的に適度な充電をする
やっぱりなんだかんだいって一番のオススメはこれなんです。
「何だよこんなの当たり前じゃん」と思われるかもしれないですが、やはり正攻法で王道が一番いいものです。
充電する方法として3案ありますが、最後の案は未来を感じる方法になっています。
今後スタンダードな方法になるかも!?未来のモビリティの世界に乞うご期待です。
定期的にアイドリングして充電する
走行する予定がなくても、定期的にエンジンをかけてしばらくアイドリングのままほったらかしにする方法です。
よく走行してエンジン回転数を上げないと全然充電されないなんて話をネット上で調べているとでてきますが、それは昔の発電性能の低いオルタネーターに限った話なんじゃないかとわたしは思っています。
私はアイドリングだけでも十分充電電流は確保されると考えます。
事実、最近の車でアイドリング中の電流を測定したことがありますが、十分電流は流れて充電されていました。
当然、たくさんの負荷をつけた状態でのアイドリングでは負荷に電流を流すために電力を持っていかれてバッテリーの充電電流が低下します。こちらも実際に確認したことがあります。
バッテリーは放電して充電率が低い状態で放置されるとサルフェーションが進行して劣化してしまうので、定期的な充電は劣化予防の観点からもバッテリー上がり防止の観点からも有効な方法です。
定期的にバッテリーチャージャー(充電器)を使う
エンジンをかけて車の発電機から充電するのではなく家庭用のAC電源などから12Vに変換して充電器により充電する方法です。
エンジンをかけなくてもOKで、アイドリングよりも効率よく満充電まで持っていける方法です。排ガスも出ないので環境にもこちらのほうが優しいですね。
バッテリーチャージャーを買わないといけないとか作業の手間がかかるとかのデメリットはありますが、こちらもバッテリーにとっては嬉しいメンテナンス行為なのではないかと思います。
T-Connect(コネクテッドサービス)のリモートスタートを使う
こちらはYouTubeのトヨタ公式の「T-Connect リモートスタート」の紹介動画です。
サービスの概要としては、「暑い夏や寒い冬に車内を快適温度にするためにスマホから指示を出して車のエアコンを事前に作動させることができる」といった内容です。
バッテリーに関することはwebサイトのサービス概要には書いていないですが、バッテリー上がり防止のサービスに転用できるものだとわたしは考えています。
リモートでスマホから指示を出すだけで、勝手にエンジン始動して充電開始。充電完了すれば勝手に終了してくれる。
コレにプラスしてバッテリーの充電状態などを知らせてくれればユーザビリティに優れたサービスになるのではないかと思います。
将来の本命技術になるかもしれないと個人的には思っていますが、現在は月額会員にならないといけないとか、対応している車種が最新車種だけとか制約は多いです。
今後の普及に期待です。
防止方法3:ソーラー発電で暗電流と自己放電分を補う
ソーラーパネルを利用して太陽光のエネルギーでバッテリーに充電して、駐車中に消費した電力を補うという方法です。
商品の一例がこちら。
こちらは中華製で耐久性などに不安がありますが、レビューを見ていると効果があったなどとの意見もちらほら。
仕様を見ると、
電流なのにmAh!?
400mA-550mAと読んでおくとして、これだけ流れるのなら大したものと思いますが、実力はいかほどなんでしょうか。
これも実験してレビューしてみたいという気持ちがうずいてきましたが、おサイフ事情と自宅で実験系をどうするかの都合があるので鋭意検討していきたいと思います。
このソーラー充電という方法自体についての意見・考察ですが、効果が期待できるレベルまで電流が確保できるならありなんじゃないかと思います。
どのレベルまで電流が確保できればというのはありますが、少なくとも「暗電流+自己放電」分を確保して、充電率がプラスになるようなら、かなり有効な方法なのではないかと思います。
「暗電流+自己放電」分の充電ができず収支がマイナスなのであれば、バッテリー上がりまでの延命にはなりますが、劇的な効果があるとまではいえないので、素直に定期的な充電をしてやるほうが手っ取り早いのではないかと思います。
車のDIYが好きならばオススメできる方法かもしれません。
まとめ
バッテリー上がり防止の方法について紹介し、それぞれの方法を考察していきました。
方法をまとめます。
- +B回路からバッテリーを切り離す
- 定期的に適度な充電をする(将来的にリモートでできる可能性あり!)
- ソーラー発電で放電分を補う
全体的に「ただの紹介・意見記事で考察になっていないよ」というツッコみもあるかもしれないですが、データの入手ハードルが高いので大目に見てください。。。
今回記事を書くにあたって色々と調べたことで、知らなかった商品やサービスも見つけましたし、商品の実力調査実験などもやってみたいと思うようになりました。
バッテリー上がりに関する記事を他にも用意しています。
ご興味あればぜひお読みください。
バッテリー上がりの応急処置ついては以下の記事で解説しています。
>>【すぐわかる】バッテリー上がりの応急処置はこの2択!
バッテリー上がりの一風変わった対処法として「しばらく待つ」についての見解をまとめています。
ご興味があればご一読ください。
>>しばらく待つとバッテリー上がりが回復する場合もある、その理由を解説!