バッテリーが寿命になるときどんな症状が出るんだろう?
アイドリングストップ車での症状や事例はどうなっているのかなあ?
寿命の症状が出ちゃったらどうすればいいんだろう?
このような悩みを解決します。
バッテリー開発経験のある鉛治郎(えんじろう)が独自の切り口でバッテリーに関する悩みに答えていきます。
この記事では
- 「バッテリーが寿命に近づくとどんな症状が出るのか」
- 「アイドリングストップ車での症状や事例」
- 「寿命の症状が出たあとにどんな対処をすればよいか」
をご説明します。
この記事を読んでいただければ、バッテリー寿命になるときの症状と症状が出た後どのように対処すればよいのかがわかるようになります。
バッテリーが寿命に近づいたときに出る症状
バッテリーが寿命に近づいてきたときに出る症状は昔ながらの「ガソリンエンジン車」と現在主流の「アイドリングストップ搭載のエンジン車」、エンジンとモーターで走る「ハイブリッド車」など、車の種類によっても異なってきます。
まずは、エンジン車で古くから言い伝えられている寿命の症状からご紹介します。
昔から言われている症状
昔からよく言われているタイプの症状について3つご紹介します。
① エンジンのかかりが悪い
「エンジンのかかりが悪い」という症状は「ガソリンエンジン車」「ディーゼルエンジン車」において適用できる症状で、アイドリングストップ車でも適用できる確認方法です。
この症状はハイブリッド車や電気自動車には適用できません。
エンジン車はエンジンを始動する際に、スターターモーターと呼ばれるモーターを使用します。
スターターモーターはバッテリーの電力によって動作し、エンジン始動時のエンジンの回転を補助する役割をします。
このとき、バッテリーは非常に大きな電流で放電され多くの電力を消費します。
スターターモーターがエンジンを回転させるにはそのエンジンを回すだけの決まった電力が必要になります。(エンジンのクランクシャフトの初期位置でも必要電力は変化します。)
エンジンが内燃の力で回るようになるまでの最初だけエンジンを回してあげればスターターモーターの役割は終了です。
そのタイミングでバッテリーの放電も終わり、オルターネーターによる発電が開始してバッテリーは充電に転じます。
この始動時の放電は1秒にも満たない時間で終了することがほとんどですが、「エンジンのかかりが悪い」というのはこの始動にかかる時間が長いという状態です。
「エンジンのかかりが悪い」=「始動時間が長い」という状態が寿命が近いという症状の1つになります。
この理由を電力と電圧、電流の関係から説明します。
以下に式の関係の概要を示します。
電力は、「電力(W)=電流(A)×電圧(V)」で表されます。
また「電流がする仕事(J)=電力(W)×時間(s)」なので、モーターを回すために必要な仕事が一定だとすると、モーターを回すための「電力×時間」も一定量必要になります。
バッテリーが元気がない状態では、同じだけの電流を流すときに降下する電圧が大きくなります。
流れる電流は変わらないので、電圧が低くなるということは電力が小さくなり、それだけモーターを回すために必要な仕事を取り出すのにかかる時間が長くなってしまいます。
バッテリーが弱ってくると始動放電時の電圧が低くなってしまうため、放電中の電力も小さくなり必要な仕事を取り出すまでの時間が長くなって、スターターモータが回る時間も長くなるというわけです。
理屈が通るように電流、電圧、電力や仕事の関係を説明しましたが、難しい場合はスターターモーターの回る時間が長くなればバッテリーが弱っている証拠だということだけ覚えておけばよいです。
② ヘッドライトが暗くなる
電圧によって輝度が変わるようなタイプのライトの場合この症状が出ると言われてます。
「言われている」というのは走行中に実際にそうなるのか謎だからです。
相当昔の車の名残?なのではないかと思っています。
その理由は最近の車(だいぶ前から?)は夜になってヘッドライトがONになると自動的に電圧が13Vとか14Vとかに安定するようにレギュレータで電圧を調整してしまいます。(調整される電圧は車によって違います)
走行中であればバッテリーが弱っていても発電機側の電圧が制御されて安定しているためライトが暗くなるような現象は起こらないと考えられます。
当然、走行終了時にライトをつけっぱなしにしていれば電圧はだんだん低くなってライトが暗くなることはあります。
「ヘッドライトが暗くなる」という症状は普通の車では寿命が近くても"走行中は"表れないでしょう。
③ パワーウインドウの開閉が遅い
スターターモーターのときと同じで、これもモーターの仕事の効率が悪い状態です。
寿命に近くなってバッテリー電圧が低くなることでパワーウインドウを動かすモーターが消費する電力が小さくなります。
電力が小さくなるとウインドウを開閉するための仕事に必要な時間が増えてしまうという理屈です。
ただ、これも基本的にウインドウを開けられる状態ではエンジンが始動していることが多いと思うので、エンジンをかけずに”IG-ON”したときぐらいしか確認ができないのではないかと個人的には思っています。
ここまで昔から言われている3つのタイプの「寿命が近づいているときの症状」についてご紹介しました。
確実に症状の違いを見分けられるのは1つ目の「エンジンのかかりが悪い(エンジン始動にかかる時間が長くなっている)」だけになるというのが私の考えです。
他の方法はエンジンがすでにかかっていれば発電機からの電力で電圧は下がらないものなので判別のしようがないというのが私の見解です。
最新の車での症状や事例
最近の車や最近の高性能なバッテリーで見られる症状や事例をご紹介します。
アイドリングストップしない
最新というほどでもないですがアイドリングストップ機能搭載車はバッテリーの状態を判断してアイドリングストップの可否を決定しているので、「アイドリングストップするかどうか」が寿命が近いかの目安になります。
「最近アイドリングストップしなくなってきたな」と感じているのであれば寿命が近い可能性があります。
ただ注意しなければならないのはアイドリングストップ機能というのはバッテリーの状態だけを見て判断しているわけではないということです。
では、どのような基準でアイドリングストップの可否を決めているのでしょうか。
この考え方は各カーメーカーによって異なるものもありますが、よく使われている一般的なものを取り上げていきます。
- バッテリーの充電率(SOC)が低い
- バッテリーの内部抵抗が高い
- バッテリー温度が低い
- 始動したときの電圧が低い
- 室内温度が設定温度と離れている
(オートエアコンの場合)
バッテリーの充電率(SOC)が低い
アイドリングストップ搭載車のバッテリーのマイナス端子にはバッテリーセンサーが取り付けられています。
バッテリーセンサーはバッテリーの電流、電圧などを測定し、充放電量などからSOCを計算します。
SOCが規定値よりも下がっていれば、これ以上の放電は止めて充電しなければならないためアイドリングストップは禁止状態になります。
バッテリーの内部抵抗が高い
バッテリーは普通の抵抗に比べれば小さいですが抵抗成分の内部抵抗をもっています。
内部抵抗の詳しい説明はここでは割愛しますが、この内部抵抗はバッテリーの劣化とともに増加していきます。
抵抗が大きくなれば、電流が流れにくくなって放電能力が低下するのでそれがバッテリーの劣化だというのはイメージできますよね。
前述したバッテリーセンサーに内部抵抗を測定する機能もあり、測定した内部抵抗を利用してアイドリングストップの禁止を判断しています。
バッテリー温度が低い
バッテリーは温度によって放電性能が変わります。
温度が低ければバッテリーの性能は低下するので、温度が低い状態ではアイドリングストップ機能を停止させて再始動で失敗するというリスクを回避する設計になっています。
始動したときの電圧が低い
車を使用するときに最初にエンジンを始動します。
そのときにエンジン始動するために放電したバッテリーは電圧が大きく降下します。
この降下量が想定よりも大きすぎる場合はバッテリーの寿命が近いという状態であるため、バッテリーをこれ以上酷使しないようにアイドリングストップは禁止状態となります。
室内温度が設定温度と離れている(オートエアコンの場合)
エアコンの設定温度と室内温度がアイドリングストップの許可条件になっていることも多いです。
どんな状態かと言うと、例えば設定した温度が25℃なのに、室内はまだ寒くて10℃という状態ではエアコンは全力で暖房しなければなりません。
ガソリン車であれば暖房はエンジンの排熱を利用するのでアイドリングストップでエンジンを止めてしまうと、暖房の能力が低下してしまいます。
その状況を避けるために設定温度と室内温度が離れている場合にはアイドリングストップを禁止してエンジンを動作させたままにすることで設定温度に早く到達するように車は制御されます。
突然死で症状が全く出ない
最近のバッテリーでは「突然死」と呼ばれる「症状が全く出ずに突然寿命になりバッテリー使用不可になる事例」が増えてきています。
なぜ、突然死が起こるのかというと、バッテリー放電での寿命の兆候が見えないレベルの劣化であるにも関わらず、バッテリーが何らかの理由で内部ショートを起こし内部のセルが使用不可になるためです。
1つでもセルがダメになってしまうとバッテリーは12Vの電圧が取り出せなくなってしまい寿命となります。
ハイブリッド車はスターターモーターを使わない
ハイブリッド車や電気自動車はメインとなるニッケル水素やリチウムイオンのバッテリーの他に鉛の補機バッテリーを搭載しています。
この補機バッテリーの役割は12V系の電装品に電力を供給することにありますが、車の使用開始時に高圧のメインバッテリーのシステムを起動するためにも使用されます。
このときの電力はスターターモーターを回すときの電力とは異なり流れる電流はそれほど大きくありません。
電流は大きくないですし、スターターモーターのような音も聞こえてこないので高圧のシステム始動で寿命の判断をするのは難しいといえます。
使用年数を確認することも重要
以上のように寿命の兆候が症状として表れない事例もあるので、バッテリーの使用年数を確認することで寿命の時期が近いということを判断することも重要です。
バッテリーには製造年月日が記載されていますので、それを確認して使用年数を把握することができます。
製造年月日の確認の仕方についてご説明します。
国内メーカーのバッテリーは上面に製造年月日が記載されています。
メーカーやバッテリーの種類によって位置に多少差はありますが、バッテリーには以下のように製造年月日の刻印がされています。
詳しい説明は以下の記事をご参考ください。
>>国産バッテリー(GSユアサ製, etc.)の製造年月日の記載場所と読み方
また、寿命になる年数に関する内容は以下の記事が参考になります。
>>車のバッテリーは何年で寿命になるのか?3つの結論がコチラ!
寿命の症状が出てしまったらどうするか
1番オススメはバッテリー交換
寿命の症状が出てしまっていたら寿命になるのは時間の問題です。
完全な寿命になってバッテリー上がりの症状を起こす前に交換するのが賢明です。
特に、バッテリー上がりが増加する冬に入る前には必ず交換しましょう。
バッテリーは温度によって放電性能が変わる特性があります。
気温が高ければ始動できていたバッテリーでも冬が近づき気温が下がってくると放電能力が低下してバッテリー上がりを起こします。
それをきっかけに寿命をむかえることもしばしばあるわけです。
寿命の兆候が見えていたら冬に入る前に交換しちゃいましょう!
バッテリー交換はネットで探して購入して、交換すると費用がおさえられて断然オススメです。
ネットでバッテリーを探すならAmazonアカウントでの購入もできるバッテリー専門店
少しでも延命したいなら
バッテリー交換することを1番オススメはしますが充電器によって充電することで多少の延命は可能だと思います。
寿命の兆候が出る前から充電器による定期満充電を行っていればさらに寿命を伸ばすことが可能です。
充電器(バッテリーチャージャー)は様々な商品がありますが、高性能で信頼できる製品として以下に紹介するバッテリーチャージャーをオススメします。
充電器で補充電することでバッテリーの延命に成功できればバッテリー交換費用が少し浮きますが、最終的に寿命はきてしまうので微々たるものです。
それでも延命を試みたい方は充電器での充電をお試しください。
まとめ
バッテリーが寿命に近づいたときの症状についてご紹介しました。
内容をまとめます。
- エンジンのかかりが悪くなる
- アイドリングストップしなくなる
- 突然死のために症状が出ない
- ハイブリッド車は兆候が表れない
症状が現れない場合も多いので、バッテリーの使用年数を確認しておくことも重要でしたね。
この記事では寿命の症状が出てしまったらどうするかについても紹介しました。
- バッテリー交換する
- 延命するなら充電器で充電
1番オススメはやはりバッテリー交換することです。
バッテリーはいつかは必ず寿命が来て交換することになりますからね。
そのスパンは他の部品より短いですから賢く費用をおさえて交換したいですよね。
バッテリー交換はネットで探して購入して交換すると費用がおさえられて断然オススメです。
愛車のバッテリーをこの機会に交換してはいかがでしょうか。
以上、ご参考にしていただけましたら幸いです。