車バッテリーの寿命確認方法はない!?開発員だからわかる3つの理由

鉛治郎
こんにちは!
バッテリー開発員の鉛治郎(えんじろう)です!
この記事が解決できる疑問

車のバッテリーっていつ寿命が来るのかわからないなあ。

バッテリーの寿命確認方法ってないのかな?

以上の疑問を解決できる記事になっています。

なぜなら、わたしはバッテリーの開発経験があり、様々な劣化状態で寿命を迎えたバッテリーを見てきた(内部まで)からです。

この記事ではバッテリー寿命の目安となる確認方法について解説したあと、絶対的な寿命確認方法がなぜないのかを説明します。

この記事を読んでいただければバッテリー寿命に関する正しい知識が身につき、寿命確認がなぜできないのかを理解していただくことができます。

バッテリーの寿命とはどんな状態か

エンジン始動できない

エンジンルーム

バッテリーの寿命がどんな状態かというとバッテリーが原因で車のエンジンがかからず車が動かない状態ということになります。

ただ、単純にライトのつけっぱなしなどによって過放電の状態になってしまってバッテリー上がりしただけの可能性もあります。

その場合は寿命だとはいえません。

「なんだかバッテリーの調子が悪いけどまだ使えている」という状態は劣化は進んでいますがまだバッテリーの寿命はきていません。

ハイブリッド車の場合はシステム起動できない

ハイブリッド車のシフトレバー

では、ハイブリッド車の場合はどうでしょうか。

ハイブリッド車はエンジンが付いていますが、ガソリンエンジン車のように鉛バッテリーの電力でスターターモーターを回しません。

その代わりハイブリッドのシステムを起動するための電力を鉛の補機バッテリーから取り出します。

ちなみにリチウムイオン電池などで構成されるメインバッテリーは駆動用であり、補機バッテリーでシステムを起動していないと使用できません。

このようにハイブリッド車の場合はシステム起動する電力が必要ですが、このとき流れる電流はガソリンエンジン車がスターターモーターを回すときの電流よりもかなり小さいです。

始動するのに必要な電力が異なるので、ガソリンエンジン車で寿命となったバッテリーもハイブリッド車では使えるということも起こりえます。

どんな車で使用されるかによって、バッテリーの寿命が変わるということを知っておくことも重要です。

バッテリー寿命の目安を確認する方法

バッテリー点検

わたしはバッテリーの寿命を確実に確認する方法はないと考えていますが、目安を確認ことはできます。

バッテリー寿命の目安を確認するための方法をご紹介します。

使用年数の確認

バッテリーには以下のような刻印がされています。

製造年月日の読み方

この刻印は国産のバッテリーメーカー共通で「日」→「月」→「年」の順番で記載されています。

この読み方を覚えていれば、いつバッテリーを取り付けられたかを忘れてしまっても、どのくらいの期間バッテリーを使用したかを確認することができます。

記載される位置や方法などは、バッテリーの種類などによって異なりますので、その点は注意をして探してください。

さて何年経ったら寿命かという話ですが、メーカーが推奨するのは3年以上経ったら交換です。

これはいささか乱暴なやり方ですが「予防交換という観点」「バッテリー上がりには絶対会いたくないという観点」では理にかなっています。

なぜならバッテリーは消耗品でいつかは必ず寿命をむかえるからです。

自分の乗り方・使い方なら○年が寿命だなと決めてしまえばそれに合わせて定期交換するのも賢いやり方です。

エンジンのかかり具合の確認

エンジンをかけるときのスターターモーターの回り具合で判断するという昔からある方法です。

さっとエンジンがかかればバッテリーは良好。

キュルキュルといった音が長く感じるようになったら寿命が近いという感じで判断します。

古典的な方法ですが、一つの判断基準の目安にはなります。

当然ですが、これは昔ながらのエンジン車にしか適用できません。

補機バッテリーによって、システム起動するハイブリッド車では全く使えない方法です。

電解液の濁り具合の確認

濁った液体

バッテリーの正極は劣化が進むと、活物質と格子の結合力が弱くなって脱落してしまいます。

脱落した活物質は軟化という柔らかい状態になっているため、電解液を茶色く濁らせてしまいます。(参考:電解液とは?

つまり、電解液が濁るほどの状態になっているということは正極は軟化脱落が非常に進行していて寿命に近い状態であることが推測できます。

ただしこの方法は絶対的な劣化量を測ることができる方法ではありません。

バッテリー液の濁りでの判断は劣化は進んでいることはわかりますが、寿命までを判断することはできません。

電解液比重の確認

比重計

電解液比重は「吸い込み比重計」という専用の道具でバッテリー液を吸い出して測定します。

比重の測定というのはバッテリーの内部状態を直接測定できる数少ない方法です。

比重測定はかなり有効な方法とは思いますが万能とは言いきれません。

寿命判断の目安の基準として、以下の2点に着目して測定するとよいです。

  1. 充電をしていても比重1.24以下になる
  2. セル間の比重ばらつきが0.04以上ある

この2つが確認できた場合はかなり寿命末期に近いです。

寿命の完全な判断はできないですが目安判断としては比重測定はとても有効な方法です。

バッテリーテスターでの確認

ディーラーなどでバッテリーの点検をしてもらうときに使われるのはバッテリーテスター(CCAテスター)と呼ばれる計器です。

このテスターはインダクタンスというバッテリーの内部抵抗の指標を使ってCCA値が測定されます。

測定されるCCA値と設定したバッテリーサイズを照らし合わせて、バッテリーの交換が必要かを判定する計器です。

一般的にはこの方法が寿命を決める一番の方法と知られていてバッテリー交換を取り扱う業者は必ず使用していると言っていい計器です。

ただ、わたしの考えではこの方法で測定するCCA値は寿命を判定するには十分ではなく、充電状態などに左右されて判定がコロコロ変わってしまう曖昧なものだと思います。

事実、わたしも車検の際にテスターでの結果が悪く「交換したほうがいい」と言われましたが、わたしの見立てではまだまだ使えると思っていたので「充電だけでいいです」と言いました。

その後、再度測ってもらった結果は「良好」の表示が出ており、やはりあまり当てにならない診断結果だなと思いました。

当てにならない部分もありますがそれなりに当たっているというのも事実なのでバッテリーテスターは寿命や交換の目安判断には十分なのではないでしょうか。

絶対的な寿命確認方法がない理由3つ

バツ印を出す人

1. 技術確立されていないから

寿命を確実に判定して交換を勝手にやってくれるような技術はありません。

未だに定期点検をして、あまりあてならないテスターを使って、販売店の商売のために交換を促してというのを繰り返しているのが現状です。

鉛バッテリーはリサイクル性がいいので、交換頻度が高くてもそれほど環境に悪いわけではありません。

また、経済の循環のためにはバッテリーを早めに交換して経済活動を活発化させることも必要だと思います。

これまで話してきた方法は寿命の目安でしか無く、確実な方法の技術確立はされていません。

2. 内部状態は分解確認しなければ正しくわからないから

「劣化を正しく判定して寿命を正しく見極めるにはどうすればいいか」となった場合、電池を分解して内部の状態を見ればかなりの情報が得られます。

この方法は当然すでに分解してしまっているので、車に載った状態のバッテリーで適用できるはずがありません。

結局一つの要素に過ぎない電解液の比重を確認することしかできません。

前述したように比重でもかなりの情報が得られますが、あくまで寿命の目安としての情報しか得られないというのが現状だと思います。

3. カーバッテリーの役割がエンジン始動の大電流供給だから

大電流の放電特性というのが厄介でいくらバッテリーに容量が残っていても容量以上に放電能力が低下してしまうとエンジン始動ができないということがあります。

他にも放電性能というのは温度によって大きく左右されますので、高温環境では寿命ではないけど、低温環境では寿命になってしまったということもあります。

車格やバッテリーサイズ、温度、様々な要因が合わさってバッテリーそれぞれの寿命が決まるので、それを確実にいいあてるというのは至難の業というしかありません。

以上の3つの理由から、バッテリー寿命の絶対的な確認方法はないとわたしは考えます。

寿命確認方法がないからこその行動提案2つ

バッテリー

いさぎよくバッテリー上がりするまで使う

これはわたしが実践している方法です。

方法と呼べるような代物ではないとも言えますが、バッテリーの寿命のベンチマークだと思って自分の乗り方をしたらこのぐらい寿命なのだなということを一度記録してみるという方法です。

仮にバッテリー上がりをしても正しい対処方法さえ知っていれば、いくらでも適切な処置ができます。

一度記録して同じような乗り方をしていれば、次も同じぐらいで寿命になる可能性は高いです。

それがわかっていれば次のバッテリーは予防交換で同時期より少し早めに交換するというやり方もアリです。

寿命になるまでバッテリーを使ったということは、バッテリーを一番長く使用できたということにほかならないです。

バッテリー上がりするまで使い続ける方法はバッテリー上がりで一時的に困るというリスクはありますが、一番バッテリーを長く使えるので経済的にも環境的にも優れた方法です。

「バッテリー上がりの対処を自分でやろう」という方は以下の記事を参考にしてください。

 

JAF会員になっていれば大丈夫という考え方もあります。以下の記事が参考になります。

期間を決めた予防交換を徹底する

前述の内容ともかぶりますが、自分で決めた期間使ったら速やかにバッテリーを交換してしまうという方法です。

「バッテリー上がりのトラブルはゴメンだ」という方や「自分の乗り方での寿命はコレくらいだ」というのを理解している方はこの方法がオススメです。

「寿命をいちいち気にするよりも機械的に時期が来たら交換してしまう。」

コスト面は少し悪いですが、トラブルフリーでカーライフを過ごせるメリットがあります。

まとめ

バッテリーの寿命の目安となる確認方法を紹介し、目安はあるものの絶対的な寿命確認方法はないということを説明しました。

また、確実な寿命確認方法がない場合、どういった行動を取るのがベストなのかについて2つの提案をしました。

まず、寿命目安の確認方法をまとめます。

バッテリー寿命目安の確認方法
  • 使用年数を確認する
  • エンジンのかかり方を確認する
  • 電解液の濁りを確認する
  • 電解液比重を確認する
  • バッテリーテスターで確認する

電解液比重の測定やバッテリーテスターでの測定は販売店や整備工場でも実施するような手法なので有効だとは思います。

ですが、完璧に寿命を言い当てられる方法というわけではないことを覚えておきましょう。

最終的にバッテリー寿命を確実に確認する方法がないので以下の2つを提案しました。

バッテリー寿命がわからないならこうすればいい
  1. バッテリー上がりするまで使い続ける
  2. 期間を決めて予防交換を徹底する

バッテリー上がりのトラブルとどう付き合うかを事前に決めておくことが大事です。

「バッテリー上がりにあっても落ち着いて対処できるのでバッテリーは限界まで使うのか」「バッテリー上がりにあいたくないので予防交換するのか」あらかじめどちらかを決めてしまうことをオススメします。

以上、ご参考にしていただけたら幸いです。

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