
バッテリー開発員の
鉛治郎(えんじろう)です!
プリウスに乗っているけどそろそろバッテリー交換が必要だなあ
損しないで安くお得に交換できる方法ってあるのかなあ?
間違わないで適合するバッテリーサイズを選べるかなあ?
わたしは自分の車で3万円以上お得にバッテリー交換ができました。
わたしが乗っているのはプリウスではないので上記は参考値ですが、プリウスについてもバッテリーの価格・費用についてしっかり調査しましたのでその結果をご説明します。
この記事では、プリウスに適合する補機バッテリーのサイズについて詳しく紹介しますので、迷うことなく適合するバッテリーを選ぶことができるようになります。
また、補機バッテリーをおトクに交換する方法もご紹介しますので、費用をおさえて賢くバッテリー交換ができる知識が身につきます。
目次
プリウスの補機バッテリーの適合サイズ
正確にバッテリーを選定するために自分の車の型式を確認しておきましょう。
車検証の型式と年式を確認しましょう。車検証のこの部分に記載されています。
次に以下の適合バッテリー表を見てオススメ適合バッテリーの型式・サイズを確認してください。
初代~4代目プリウス型式と適合バッテリー表
車名 | 型式 | オススメ 適合バッテリー |
新車搭載 バッテリー |
年式 | 仕様 |
プリウス (初代) |
ZA-NHW11 | S34B20L | S34B20L | 2000/05 ~ |
|
プリウス (2代目) |
ZA-NHW20 | S34B20R | S34B20R | 2003/09 ~ |
Sタイプ |
ZA-NHW20 | S46B24R | S46B24R | Gタイプ | ||
DAA-NHW20 | S34B20R | S34B20R | 2004/08 ~ |
Sタイプ | |
DAA-NHW20 | S46B24R | S46B24R | Gタイプ | ||
プリウス (3代目) |
DAA-ZVW30 | S34B20R | S34B20R | 2009/05 ~ |
|
S46B24R | S46B24R |
||||
プリウス (4代目) |
DAA-ZVW50 | LN1 |
LN1 | 2015/12 ~ |
|
DAA-ZVW51 | |||||
DAA-ZVW55 | 4WD |
表の見方・カンタンな識別方法
表の見方ですが、オススメ適合バッテリーの列が購入するバッテリーの型式になります。
初代~3代目プリウスは「S34B20」「S46B24」
- プリウス初代だけは「S34B20L」
- 2代目(20系)と3代目(30系)は「S34B20R」か「S46B24R」
- 4代目(50系)は「LN1」
となります。
2代目(20系)と3代目(30系)はグレード等によって搭載されるサイズが異なります。
車両で使う機器の数などを考えて選ぶことが得策で目安は「ナビのありなし」です。
トヨタの標準では、
- HDDナビなしは「S34B20R」
- HDDナビありは「S46B24R」
現在ナビありのプリウスに乗っているというのであれば、容量の大きい「S46B24R」にしておくのが安心です。
ただし、当然容量が大きい方が価格は上がりますので「コストをとるか」「容量が大きい安心をとるか」自分で納得したほうを選ぶことをオススメします。
初代~3代目プリウスのようなハイブリッド車の補機バッテリーは室内置きになるため、VRLA( Valve-Regulated Lead-Acid)という制御弁式のバッテリーが搭載されています。(参考:VRLAとは?)
通常液式のバッテリーでは代用できないため必ず専用バッテリーを購入してください。
4代目プリウスはEN規格の「LN1」バッテリー
4代目からは通常液式のLN1を採用しています。
こちらもJISとは形状が全く異なるので、専用のLN1バッテリーの購入が必要です。
プリウス補機バッテリーサイズ選びまとめ
プリウス補機バッテリーの適合サイズ
- 初代は「S34B20L」
- 2代目(20系)と3代目(30系)は「S34B20R」か「S46B24R」
「ナビなし」ならS34B20R
「ナビなし」ならS46B24R
コストと安心どちらを優先するかで決める - 4代目は「LN1」
バッテリー購入、交換をする前にきちんとサイズの読み方ついて理解しておきたいですよね。
次は、すぐわかるバッテリーサイズ型式解説をしていきます。
バッテリーサイズ型式早わかり解説
初代~3代目プリウスのバッテリーのように「S34B20R」と表記されているバッテリーのサイズはJIS規格で決められています。
JIS規格表記のサイズ型式
「S34B20R」を例に説明します。
上の図の内容が理解できていれば十分です。
補足としては乗用車用では「幅×高さ」が決まるアルファベット部分はB, Dの2種類しか使いません。
B, Dだけ覚えておきましょう。
記号 | 幅×高さ[mm] |
B | 129×203 |
D | 173×204 |
高さはほぼ同じで、幅はDの方がBよりも44mm長いです。
詳しい寸法を覚える必要はないのでどのくらいの大きさかイメージができればよいです。
図の一番右に記載した端子位置「L」と「R」は車両のレイアウトによって決められているので間違えると取り付けられません。
「L」と「R」を間違わないように気をつけましょう。
続いて、4代目プリウスに採用されているEN規格で表記されたLNサイズについて説明します。
EN規格のLNバッテリーのサイズ型式
EN規格は欧州規格のことで、欧州車や最近のトヨタ車で採用されているバッテリーの型式、サイズが決められています。
「355LN1」を例に説明します。
LN0, 1, 2, 3…という感じで大きい数字になるにつれてサイズも大きくなります。
数字が大きくなると形状は長さの部分だけが長くなり、幅と高さは全サイズ共通となります。
型式の前の数字「355」は性能ランクと呼ばれ「バッテリーの容量」と「低温始動性能」で決定されます。
300の部分はJISとの差別化のために足しているだけの数字であり、数字が大きいからといってJISよりも性能がよいというわけではありませんのでご注意ください。
EN規格は
- 端子位置は「L」のみ
- 端子種類は「太」のみ
JISの型式よりもシンプルです。
プリウスの補機バッテリーを安く交換する方法
結論から言うと「インターネット通販でバッテリーを購入して自分で交換する」です。
「なんだたいした話じゃないじゃないか」と思うかもしれませんがこの効果についてきちんと知っている人は少ないと思います。
わたしの体験談でお話します。
バッテリー費用をおさえられた体験談
購入から5年目の車検のときのことです。
わたしの車はクリーンディーゼルなので安い車検取り扱い会社で断られてディーラーに行くことにしました。
ディーラーで車検見積もりしたところ、バッテリー交換費用55,000円の文字が!
こんなの払いたくないので交換は要りませんと言いました。
家に帰って同じ型、同じメーカーのものを探してみたところ値段は「22,000円」で、他のメーカーでは「17,000~18,000円」程度でした。
55,000円 - 2,2000円 = 33,000円
差額30,000円以上ですよ!30,000円以上!
結局、車検では交換せず、後日寿命になったのを見計らってネット通販で適合サイズのバッテリーを購入して交換しました。
わたしのポリシーとしてバッテリーは寿命になるまで使い切ります。
バッテリー上がりのリスクで少し不便になることには目をつむってこうしています。
完全に寿命が来るまでは待って交換というのは真似しなくてもよいですが、ネット通販でバッテリー購入して自分で交換すると費用が断然安くなるのでオススメです。
プリウス補機バッテリーの費用
ディーラーや整備工場での交換費用相場はバッテリー代金と工賃込みで30,000~50,000円になるでしょう。
自分でネット購入して、自分で交換するのであれば費用はコチラになります。
型式 | 国内製造 (GSユアサ, Panasonic, 古河電池, 昭和電工マテリアルズ) |
韓国製造 (ATLAS, G&Yu, ACDelco等) |
S〇〇B20R※1 | 13,000~17,000円 | 8,000~9,000円 |
S〇〇B24R※1 | 20,000~26,000円 | 8,000~14,000円 |
LN1 | 13,000~16,000円 | - |
※2020年11月調べ
※1 〇〇は性能ランクなのでどんな数字が入っても基本的に問題ないです。
韓国製造バッテリーは安いのですが、韓国製造品の品質にはバラツキ(当たり外れ)があると考えています。
例えば100個の製品を作った場合に国内製造はハズレが1個あるかないかのところが、韓国製造ではハズレが10個以上とかのレベルで品質が悪く、ハズレを引いてしまう確率が上がります。
ハズレを引いてしまうと早期に寿命になってすぐ交換することになり、逆にコストがかかってしまうということも考えられます。
「多少高くても安心の国内製造を取るか」「とにかくコスト重視で韓国製造を選ぶか」しっかり考えて納得した上で購入を決めてください。
LN1については、欧州車向けのVARTA等もありますが、トヨタ車には専用設計の国内メーカー製造EN規格をオススメするため、国内製造品の価格しか記載していません。
続いては、インターネットでバッテリー購入したあとの交換方法についてご説明します。
バッテリーの交換方法
注意事項
- バッテリー内の液体は硫酸であり、皮膚についたり目に入ったりした場合、大変危険です。保護メガネを着用して作業してください。
- ショートやスパークによって水素ガスが引火爆発する危険性があります。金属の工具でプラス端子とマイナス端子をショートさせないよう注意して作業してください。
交換手順
手順を図解しました。
次の手順でバッテリー交換作業を行ってください。
交換完了後はケーブル接続端子のナットがしっかりと締められているかを確認してください。
バックアップすれば安心
メモリーバックアップの電源を取り付けて作業をすれば、クルマのECU関連のメモリーがリセットされる心配がありません。
持ち込み交換もOK
自分で交換が不安な場合は購入してから持ち込みも可能です。工賃だけで作業してもらえますが、費用はお店によって異なりますし例外もあると思うので対応してもらえるかは最寄りのディーラーや整備工場にご相談ください。
プリウスの補機バッテリー適合サイズとおトクな交換方法まとめ
プリウスの適合バッテリーでオススメの適合サイズと費用をおトクに交換する方法をご紹介しました。
最後に内容をまとめます。
プリウス補機バッテリーのオススメ適合サイズ
- 初代は「S34B20L」
- 2代目(20系)と3代目(30系)は「S34B20R」か「S46B24R」
「ナビあり」なら「B24」
「ナビなし」なら「B20」
コストと安心どちらを優先するかで決める - 4代目は「LN1」
バッテリーをお得に交換する方法
3~4年で交換となる消耗品の補機バッテリー交換のコストをおさえられれば家計にとって嬉しいですよね。
ぜひバッテリー交換にチャレンジしてみてください。
以上、ご参考にしていただけましたら幸いです。