えんじろう車のバッテリー交換で、「EN規格」「LN1」「LN2」などの表記に戸惑っていませんか?
EN規格バッテリーとは、主に欧州車で採用されてきた規格のバッテリーです。近年は、トヨタやレクサスをはじめとする国産車にも搭載されています。
LN0・LN1・LN2・LN3・LN4などの「LN」は、バッテリー本体のサイズを表す記号です。数字が大きくなるほど全長が長くなります。交換するときは、現在搭載されているLNサイズやバッテリーの種類、端子位置などを確認する必要があります。
EN規格と従来のJIS規格では、型式の読み方やバッテリーの形状、固定方法などが異なります。サイズが近くても、そのまま交換できないため注意が必要です。
この記事では、
- EN規格バッテリーの特徴と型式の見方
- LN0~LN6のサイズ
- JIS規格との違い
を分かりやすく解説します。LN1とLN2、LN2とLN3で迷っている方に向けて、サイズ別の詳しい比較記事も紹介します。
交換するバッテリーを間違えないために、まずはEN規格とLNサイズの基本から確認していきましょう。
EN規格バッテリーとは


EN規格バッテリーとは、欧州の統一規格に基づいて作られたバッテリーです。
ENは「European Norm」の略で、バッテリーの寸法や形状、型式、性能試験の方法などが定められています。
以前は欧州車を中心に採用されていましたが、現在は自動車部品の共通化が進み、トヨタやレクサスなど一部の国産車にも搭載されています。
従来の欧州車用バッテリーでは、ドイツ工業規格である「DIN規格」の型式も広く使われていました。そのため、現在でもEN規格バッテリーを「DIN規格バッテリー」と呼ぶことがあります。
ただし、EN規格と日本のJIS規格では、バッテリーの形状や固定方法などが異なります。サイズが近くても、基本的にそのまま載せ替えることはできません。
EN規格バッテリーは形状と型式の見方が異なる
日本のJIS規格では、「40B19L」や「55D23L」のような型式が使われています。
一方、日本車向けのEN規格バッテリーでは、「355LN1」や「375LN2」のように表示されます。
「LN1」「LN2」などのLN部分は、バッテリーケースのサイズを表しています。
標準的なLN0~LN6は、奥行きが175mm、高さが190mmで共通しており、LNの後ろに付く数字が大きくなるほどバッテリーの長さが大きくなります。
以下では、「355LN1」を例にEN規格バッテリーの型式の見方を示しています。


欧州車用バッテリーには、高さが175mmの「LBNタイプ」もあります。LNの数字だけで判断せず、実際に搭載されているバッテリーの型式と寸法を確認してください。
EN規格とJIS規格の形状や固定方法の違いについては、記事の後半で詳しく解説します。
EN規格バッテリーのポイント
- 欧州で定められた規格を基にしている
- 日本車にもEN規格バッテリーの採用が増えている
- LN0・LN1・LN2などの記号でケースサイズを確認できる
- LNの数字が大きくなるほどバッテリーの長さも大きくなる
- JIS規格とは形状や固定方法、型式の見方が異なる
- 容量は20時間率容量で表示される
- 同じLNサイズでも、通常液式・EFB・AGMなどの違いがある
LNバッテリーとは
LNバッテリーとは、EN規格で使われる外形サイズ区分のバッテリーです。LN0・LN1・LN2など、末尾の数字が大きくなるほどバッテリーの長さが大きくなります。
ただし、LNの数字はバッテリーの性能を直接表すものではありません。交換するときは、現在搭載されているバッテリーと同じLNサイズを選ぶのが基本です。
355LN1を例に型式を確認
日本車用EN規格バッテリーでは、「355LN1」のような型式が使われています。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| 355 | 性能ランクの参考値 |
| LN1 | 外形サイズ |
バッテリーの大きさを確認するときは、先頭の「355」ではなく「LN1」の部分を見ます。
「355」は性能ランクの参考値であり、バッテリーの容量や寸法をそのまま表した数字ではありません。「LN1」がバッテリーケースの外形サイズを表しています。


LN0~LN6のサイズ・寸法一覧
LNバッテリーは、LN0からLN6まで数字が大きくなるほど長さが大きくなります。幅と高さは基本的に共通です。
| LNサイズ | 長さ | 幅 | 高さ |
|---|---|---|---|
| LN0 | 175mm | 175mm | 190mm |
| LN1 | 207mm | ||
| LN2 | 242mm | ||
| LN3 | 278mm | ||
| LN4 | 315mm | ||
| LN5 | 353mm | ||
| LN6 | 394mm |
上記は代表的な規格寸法です。メーカーによって最大外形寸法が数mm異なる場合があります。また、高さ175mmのLBNタイプもあるため、購入時は商品の寸法を確認してください。
数字がひとつ違うだけでもバッテリーの長さは30mm以上変わります。バッテリートレーや固定金具に収まらない可能性があるため、適合確認をせずに違うLNサイズへ交換するのは避けましょう。
LN1とLN2の違い
LN2の長さは242mm、LN1は207mmで、LN2の方が35mm長くなります。一般的にLN2はLN1より容量やCCAが大きい傾向があります。ただし、外形寸法が異なるため、原則として相互交換はできません。
LN2とLN3の違い
LN3の長さは278mm、LN2は242mmで、LN3の方が36mm長くなります。一般的にLN3はLN2より容量や重量が大きい傾向があります。バッテリートレーや固定位置が異なるため、原則として現在と同じLNサイズを選びます。
LN0とLN1・LN3とLN4の違い
隣り合うLNサイズでも、長さには32~38mmの違いがあります。
| 比較 | 長さの違い | 互換性 | 詳細 |
|---|---|---|---|
| LN0とLN1 | LN1が32mm長い | 原則なし | ― |
| LN1とLN2 | LN2が35mm長い | 原則なし | 詳しく見る |
| LN2とLN3 | LN3が36mm長い | 原則なし | 詳しく見る |
| LN3とLN4 | LN4が37mm長い | 原則なし | ― |
| LN4とLN5 | LN5が38mm長い | 原則なし | ― |
車種によっては標準仕様と寒冷地仕様で異なるLNサイズが指定されている場合があります。サイズアップできるかどうかは、車両の取扱説明書やバッテリーメーカーの適合表で確認してください。
EN規格とJIS規格の違い
EN規格とJIS規格では、バッテリーの型式だけでなく、ケースの形状や固定方法、容量の試験方法などが異なります。
主な違いを表にまとめると、次のようになります。
| 比較項目 | EN規格バッテリー | JIS規格バッテリー |
|---|---|---|
| 主な搭載車 | 欧州車・一部の国産車 | 国産車 |
| 型式例 | 355LN1・375LN2 | 40B19L・80D23L |
| サイズの表示 | LN0・LN1・LN2など | B19・D23・D26など |
| ケース形状 | 高さを抑えた横長の形状 | EN規格より高さのある形状が多い |
| 一般的な固定方法 | ケース下部をクランプで固定 | 上部をステーで固定 |
| 容量の表示 | 20時間率容量 | 5時間率容量 |
| 端子・排気構造 | 専用の端子位置や排気構造 | JIS規格に対応した端子・構造 |
| 互換性 | JIS規格とは原則なし | EN規格とは原則なし |


型式の見方が異なる
JIS規格では、「40B19L」や「80D23L」のような型式が使われています。
一方、日本車向けのEN規格バッテリーでは、「355LN1」や「375LN2」のように表示されます。
たとえば「355LN1」の場合、「355」は性能ランクの参考値、「LN1」はバッテリーの外形サイズを表します。
JIS規格の「40」とEN規格の「355」は、どちらも性能に関係する数字ですが、評価基準が異なります。そのため、数字の大きさをそのまま比較することはできません。
ケースの形状と固定方法が異なる
JIS規格バッテリーは、バッテリー上部にステーを取り付けて固定する方式が一般的です。
一方、EN規格バッテリーは、ケース下部にある張り出し部分をクランプで挟んで固定します。
EN規格とJIS規格ではケースの高さや底面形状も異なるため、長さや幅が近くても、車両へ正しく固定できるとは限りません。
固定が不十分な状態で使用すると、走行中にバッテリーが動き、端子や配線、バッテリーケースを損傷するおそれがあります。
容量の試験方法が異なる
EN規格とJIS規格では、バッテリー容量を測定する試験方法も異なります。
EN規格バッテリーでは「20時間率容量」、JIS規格バッテリーでは「5時間率容量」が一般的に使われています。
どちらも単位はAhですが、放電させる電流と時間が異なります。同じ容量値が表示されていても、同じ条件で測定された数値とは限りません。
5時間率容量と20時間率容量の違いについては、「バッテリーの5時間率容量・20時間率容量の違い」で詳しく解説しています。
EN規格とJIS規格はそのまま交換できない
EN規格とJIS規格のバッテリーには、互換性がありません。
外形寸法が近くても、次の項目が異なる可能性があります。
- バッテリーの固定方法
- 端子の位置と太さ
- 配線の長さ
- 排気口の位置
- バッテリートレーの形状
- 必要な容量やCCA
交換用バッテリーを選ぶときは、「同じくらいの大きさだから載せられる」と判断せず、現在搭載されているバッテリーの型式と車種別の適合情報を確認してください。
日本車用EN規格と欧州車用EN規格の違い
同じEN規格バッテリーでも、日本車用と欧州車用では、想定されている車両や使用環境が異なります。
LNサイズが同じだからといって、どの商品でも交換できるわけではありません。
| 比較項目 | 日本車用EN規格 | 欧州車用EN規格 |
|---|---|---|
| 主な搭載車 | EN規格を採用した国産車 | 欧州車 |
| 型式例 | 355LN1・375LN2 | LN2・H5など |
| 使用環境 | 日本の気候や車両環境を考慮 | 欧州車の要求仕様を考慮 |
| 排気構造 | 一括排気構造を採用した製品など | 製品によって異なる |
| 適合の確認方法 | 国産車用の適合表を確認 | 輸入車用の適合表を確認 |
日本車用EN規格バッテリーには、日本の気候や車両の使われ方を考慮して設計された製品があります。
一方、欧州車用EN規格バッテリーでは、「LN2」のほかに「H5」など、メーカー独自の型式が使われることもあります。
同じLNサイズであれば、ケースの基本寸法は共通しています。しかし、次の項目まで同じとは限りません。
- 通常液式・EFB・AGMの違い
- 容量とCCA
- 端子の位置
- 排気口の位置
- 排気ホースへの対応
- アイドリングストップ車への対応
- ハイブリッド車への対応
とくに、車室内や荷室にバッテリーを搭載する車では、排気構造の確認が重要です。現在のバッテリーに排気ホースが接続されている場合は、交換後も正しく接続できる製品を選んでください。
「LN2だから取り付けられる」と判断せず、日本車なら国産車用、欧州車なら輸入車用の適合表で確認しましょう。
EN規格バッテリーを交換するときの確認ポイント
EN規格バッテリーを交換するときは、LNサイズだけでなく、車両への適合やバッテリーの仕様も確認する必要があります。
購入前に確認したいポイントは、次の6つです。
1.現在のLNサイズ
最初に、現在搭載されているバッテリーの型式を確認します。
「355LN1」「375LN2」のように表示されている場合、末尾の「LN1」「LN2」が外形サイズです。
先頭の数字は性能ランクの参考値なので、バッテリーの大きさを確認するときはLN部分を見ます。
2.車種・年式・グレード
同じ車種名でも、年式や車両型式、エンジン、グレードによって搭載バッテリーが異なることがあります。
また、標準仕様と寒冷地仕様、ガソリン車とハイブリッド車でLNサイズが異なる場合もあります。
3.通常液式・EFB・AGM
EN規格バッテリーには、通常液式・EFB・AGMなどの種類があります。
| 種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 通常液式 | 通常車や充電制御車などに使用される一般的なタイプ |
| EFB | 充放電への耐久性を高めた液式タイプ |
| AGM | 高い充放電性能を持つ制御弁式タイプ |
EFBやAGMが指定されているアイドリングストップ車へ、通常液式バッテリーを取り付けるのはやめましょう。
4.容量とCCA
同じLNサイズでも、容量やCCAはメーカーと商品によって異なります。
容量は、バッテリーに蓄えられる電気量の目安です。CCAは、低温時にエンジンを始動させる能力を表します。
交換品を選ぶときは、現在のバッテリーや車両が必要とする容量・CCAを下回らないようにします。
5.端子位置
LNサイズが同じでも、プラス端子とマイナス端子の位置が異なる製品があります。
端子位置が反対だと、車両側のケーブルが届かない可能性があります。ケーブルを無理に引っ張って接続すると、端子や配線の損傷、ショートの原因になります。
6.排気ホース・排気口
車室内や荷室にバッテリーを搭載する車では、充電中に発生するガスを車外へ逃がすため、排気ホースが取り付けられていることがあります。
交換前のバッテリーに排気ホースが接続されている場合は、次の点を確認してください。
- 排気口の位置
- 排気ホースを接続できるか
- 反対側の排気口を塞ぐプラグがあるか
- 車両指定の排気構造に対応しているか
排気ホースを接続せずに使用すると、発生したガスが車室内や荷室に漏れるおそれがあります。交換後は、ホースが確実に接続されていることも確認しましょう。
LNサイズが分かったら交換できるバッテリーを確認
現在搭載されているLNサイズが分かったら、同じサイズの中から交換できるバッテリーを探します。
以下の記事では、LNサイズごとの互換型式、容量、CCA、価格、おすすめ商品を紹介しています。
| 現在の型式 | 交換用バッテリーを探す |
|---|---|
| LN0 | LN0の互換バッテリーとおすすめを確認 |
| LN1 | LN1の互換バッテリーとおすすめを確認 |
| LN2 | LN2の容量・CCA・おすすめを確認 |
| LN3 | LN3の互換バッテリーとおすすめを確認 |
| LN4 | LN4の互換バッテリーとおすすめを確認 |
LNサイズがまだ分からない方と、すでに搭載サイズが分かっている方では、確認する記事が異なります。
| 現在の状況 | 確認する記事 |
|---|---|
| LN1かLN2か分からない | LN1とLN2のサイズ・容量・互換性を比較 |
| 現在LN1と分かっている | LN1の互換バッテリーとおすすめを確認 |
| 現在LN2と分かっている | LN2の容量・CCA・おすすめを確認 |
| LN2かLN3か分からない | LN2とLN3のサイズ・容量・CCA・互換性を比較 |
| 現在LN3と分かっている | LN3の互換バッテリーとおすすめを確認 |
| 現在LN4と分かっている | LN4の互換バッテリーとおすすめを確認 |
LN1とLN2、LN2とLN3のどちらかで迷っている方は、先に比較記事で外形サイズを確認してください。
EN規格バッテリーに関するよくある質問
EN規格バッテリーとは何ですか?
EN規格バッテリーとは、欧州の統一規格に基づいて作られたバッテリーです。
寸法や形状、型式、性能試験の方法などが定められています。以前は欧州車を中心に採用されていましたが、現在は国産車にも搭載されています。
LNバッテリーとは何ですか?
LNバッテリーとは、EN規格で使われる外形サイズ区分のバッテリーです。
LN0・LN1・LN2のように表示され、末尾の数字が大きくなるほどバッテリーの長さも大きくなります。
「355LN1」の355とLN1は何を表していますか?
「355」は性能ランクの参考値、「LN1」はバッテリーの外形サイズを表します。
バッテリーの大きさを確認するときは、先頭の355ではなく、末尾のLN1を見てください。
同じLNサイズなら、どのバッテリーでも交換できますか?
同じLNサイズでも、すべてのバッテリーに互換性があるわけではありません。
通常液式・EFB・AGMの違い、容量、CCA、端子位置、排気口なども確認する必要があります。現在搭載されているバッテリーと同じ仕様を選び、メーカーの適合表も確認してください。
EN規格とJIS規格のバッテリーは交換できますか?
EN規格とJIS規格には、基本的に互換性がありません。
ケースの形状や高さ、固定方法、端子、排気構造などが異なります。外形寸法が近くても、正しく固定できるとは限らないため、自己判断で交換するのは避けてください。
日本車用EN規格と欧州車用EN規格は同じですか?
基本となるLNサイズが同じでも、製品の仕様まで同じとは限りません。
日本車用EN規格バッテリーには、日本の気候や車両環境を考慮した製品があります。欧州車用では独自型式や異なる排気構造が使われる場合があるため、日本車は国産車用、欧州車は輸入車用の適合表で確認してください。
LN1からLN2などへサイズアップできますか?
原則として、現在搭載されているものと同じLNサイズを選びます。
LNサイズを変更すると、バッテリートレーや固定金具、配線、排気ホースなどが合わない可能性があります。車両メーカーや適合表でサイズ変更が認められている場合に限って検討してください。
サイズごとの違いは、以下の記事で詳しく解説しています。
自分の車に合うLNバッテリーはどうやって確認しますか?
現在搭載されているバッテリーのラベルと、バッテリーメーカーの車種別適合表で確認します。
同じ車種でも、年式・車両型式・エンジン・グレード・寒冷地仕様などによって搭載サイズが異なる場合があります。車種名だけで判断せず、実際の車両情報と現在の型式を照らし合わせてください。
搭載されているLNサイズが分かったら、以下の記事から互換品とおすすめを確認できます。
まとめ
EN規格バッテリーとは、欧州の統一規格に基づいて寸法や形状、型式、性能試験の方法などが定められたバッテリーです。
この記事のポイントをまとめます。
- LN0・LN1・LN2などの「LN」は外形サイズを表す
- LNの数字が大きくなるほどバッテリーの長さも大きくなる
- LNの数字は、容量や性能の高さを直接表すものではない
- EN規格とJIS規格では、形状や固定方法、型式の見方が異なる
- EN規格とJIS規格には、原則として互換性がない
- 同じLNサイズでも、通常液式・EFB・AGMなどの違いがある
- 日本車用と欧州車用では、同じLNサイズでも仕様が異なる場合がある
- 交換するときは、現在の型式とメーカーの車種別適合表を確認する
LNサイズで迷っている方は、以下の比較記事をご覧ください。
現在のLNサイズが分かっている方は、サイズ別の記事から互換バッテリーやおすすめ商品をチェックしてみてください。
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