Q-85とQ-105, Q-100, Q-90に関する疑問
純正バッテリーはQ-85だけど、Q-105やQ-100、Q-90が売っているな。
なにが違うんだろ?
Q-85からQ-105、Q-100やQ-90に交換しても大丈夫なのかな?
バッテリーの型番ってちょっとわかりにくいけど、この記事を読めば解決するよ。
型番をよく知らずに間違ったバッテリーを購入して損することがないよう、しっかり正しい知識をつけたいですね。
私はバッテリー開発の経験があり、バッテリー型番や各メーカーが販売している製品についても熟知しています。
この記事では以下について解説します。
- バッテリーのQ-85とQ-105, Q-100, Q-90の違い
- Q-85とQ-100は違う数字なのに搭載できるのか
- 純正Q-85とは異なるQ-100にするデメリットはあるか
- Q-105, Q-100, Q-90にはどんな製品があるか
- Q-85とQ-100のような関係のバッテリーは他にもあるか
結論としては
Q-85とQ-105, Q-100, Q-90の違いは性能ランクだけ。
サイズは同じなので
Q-85からQ-105, Q-100, Q-90への載せ替えが可能。
詳細な解説を確認したい方は記事を読み進めてみてください。
もうわかったからQ-85の互換バッテリーを探してみるという方は以下の記事を参考にしてみてください。
バッテリーのQ-85とQ-105, Q-100, Q-90の違い
Q-85とQ-105, Q-100, Q-90の違いは性能だけです。
なぜならバッテリーの「サイズ・寸法」を表すQは同じで、Q-◯◯の◯◯部分の「性能ランク」の数字だけが変化しているからです。
以下はアイドリングストップ車用バッテリーの型式を説明した図になります。
サイズを表す「Q」は同じ
最初のアルファベットの「Q」はバッテリーの「サイズ・寸法」を表しています。
図左側の表の「Q」のとなりに「D23」と記載があります。これはJIS規格のバッテリーサイズ表記です。
アイドリングストップ車用サイズの「Q」はJISの「D23」と同じサイズです。
性能ランクの数字「85」「105」「100」「90」が違う
後ろの数字の「85」「100」「90」は「性能ランク」を表しており、性能に違いがあります。
性能ランクはバッテリーの性能を表す数字なので形状とは関係ありません。
Q-85とQ-100, Q-90は「サイズ、寸法」は同じで「性能ランク」が異なるバッテリーです。
交換用におすすめバッテリーを探してみる方は以下の記事も併せてチェックしてみてください。
Q-85とQ-100は違う数字なのに搭載できるのか
結局のところ型番が違っているのにQ-85からQ-105, Q-100, Q-90への載せ替えはできるのでしょうか。
この疑問にお答えします。
純正Q-85のクルマにQ-100を搭載することは可能
純正Q-85のクルマにQ-100を搭載することはできます。
なぜならQ-85とQ-100はサイズが同じで、性能ランクが異なるだけだからです。
前述したようにアイドリングストップ車用バッテリーの型式は以下の内容から説明ができます。
純正Q-55の場合はどうか
比較的古い車種の純正バッテリーはQ-55の場合があります。
なぜ「55」なのかといえば、アイドリングストップ車用バッテリーが世の中に出たばかりで性能ランクが低かったためです。
同じ「Q」サイズなのでQ-55に対して、Q-85やQ-100, Q-90を搭載することは問題ありません。
Q-55からの交換検討の場合、以下のQ-55の互換についての記事が参考になるので確認してみてください。
純正Q-85とは違うQ-100にするデメリットはあるか
デメリットはありません。
搭載性でのデメリットなし
Q-85とQ-100はまったく形状が同じバッテリーなので取りつけの問題はおきません。
性能面でのデメリットなし
85→100に性能ランクがアップするのでバッテリーの性能面でも問題ありません。
また、Q-85よりもQ-100の方が基本性能がよいため長持ちする可能性は高いでしょう。
ただし、Q-100のほうが寿命性能まで絶対にいいと言い切ることはできません。
なぜなら以下の理由があるからです。
- 寿命性能は性能ランクには表されないから
- メーカーによって性能の重点項目が違うから
性能ランクは「始動性能」と「容量」から計算されるため寿命性能自体は性能ランクからはわかりません。
参考記事: >>バッテリーの「性能ランク」を徹底解説!
なので、Q-85とQ-100を比較した場合でも、寿命性能に重点をおいた設計をしているメーカーであればQ-85の方が寿命性能がいい可能性もあります。
性能ランクの数字だけで判断せず、できるだけ信頼のおけるメーカーのバッテリーを選ぶことをおすすめします。
価格面でのデメリットなし
Q-100になると価格が高くなるのではないかと思われるかもしれません。
Amazonでの実売価格を確認したところQ-100が特別高くなる傾向はありませんでした。
Q-105, Q-100, Q-90にはどんな製品があるか
Q-105, Q-100, Q-90にはどんなバッテリーがあるか紹介します。
- Q-105, Q-100:Panasonic caos
- Q-100:AQUA DREAM
- Q-100:Tuflong PREMIUM PLUS
- Q-90:SUPER NATTO
- Q-90:VARTA Silver Dynamic
Q-105, Q-100:Panasonic caos
新車搭載の純正品は基本Q-85バッテリーが使われますが、Panasonic caos(カオス)は性能が高いことをアピールするためQ-105としています。
カオスは性能ランクが高いため5時間率容量や低温始動性能がよく、ユーザー人気の高いバッテリーです。
カオスがスゴい理由は以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
Q-100:AQUA DREAM
「AQUA DREAM(アクアドリーム)」という新興ブランドがQ-100バッテリーを販売しています。
AQUA DREAMに関しての情報は以下の記事で詳しく紹介していますのでご参考ください。
Q-100:Tuflong PREMIUM PLUS
エナジーウィズのTuflong PREMIUM PLUSもQ-100バッテリーです。
エナジーウィズの前身は昭和電工マテリアルズです。会社名については、
新神戸電機→日立化成→昭和電工マテリアルズ→エナジーウィズ
といった変遷を得て、現在の会社名はエナジーウィズ。
会社名変更の経緯はありますが、国産バッテリーの一角であることには変わりなく、十分な品質、性能を備えたバッテリーです。
エナジーウィズ Tuflong PREMIUM PLUS Q-100が気になった方は以下のリンクからチェックしてみてください。
Q-90:SUPER NATTO
Q-90はSUPER NATTO(スーパーナット)というブランドから販売されています。
あまり有名なブランドではないですが、純正よりも性能が高いことをアピールする性能ランク値を表示しています。
おそらく韓国製造品を日本の販売店が新しいブランド名で販売している商品です。
口コミを見るかぎりでは、基本的な初期性能のコスパはいいですが、ハズレをひいた方が酷評しています。
とにかく安さを重視する場合には選択肢に入るのではないでしょうか。
Q-90:VARTA Silver Dynamic
VARTAは世界トップシェアのクラリオス社(旧JCI)のブランドです。
性能ランクが純正よりも高いQ-90を設定しています。
トップシェアメーカーのブランドなので価格はスーパーナットより少し上がりますが、品質やパフォーマンスは高いです。
他にもQ-85とQ-100のような関係のバッテリーはあるか
他にも同様の関係になっているバッテリーはあります。
以下の3種類で型式比較をしました。
- 新車搭載 純正バッテリー型式
- 新興ブランド AQUA DREAM(アクアドリーム)
- 人気の高い Panasonic caos(カオス)
この表を見てわかるように「Q」以外にも「K」「M」「N」「S」「T」といったアルファベットのサイズでもQ-85とQ-100と同じような関係になっています。
標準バッテリーに対してサイズは同じで、性能ランクが異なるバッテリーは各種のサイズで存在しています。
他のサイズについても気になる方は以下の関連記事をチェックしてみてください。
まとめ
Q-85とQ-105, Q-100, Q-90の違いについて解説しました。
内容をまとめます。
- 「Q」は「サイズ、大きさ」を表す。
- 「85」「105」「100」「90」の部分は性能ランクを表す。
- 新車純正Q-85搭載の車両にQ-105, Q-100, Q-90を載せ替えることはできる。
- Q-85をQ-105, Q-100, Q-90に載せ替えるデメリットはない。
バッテリーの型番はややこしいですが、覚えてしまえばシンプルで難しくはありません。
正しい知識を身につけておトクに性能のよいバッテリーが選べるといいですね。
バッテリー選びにまだ自信がない方はQ-85に互換するバッテリーのオススメを以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。